狂犬病の危険性と予防接種

最も有名と言っても過言ではない狂犬病は、発病してしまうと致命的と言われている急性のウイルス感染症のひとつです。もし万が一発症すると、意識に障害が発生し脳が破壊され興奮状態が続いた後、急に元気がなくなって死に至ります。

自治体に従ってワクチンの予防接種を

日本では最近感染した犬はいませんが、アジア・ヨーロッパ・アメリカでは感染が報告されています。犬を日本に飛行機で送る際にもしっかりと検疫されていますが、油断してはいけません。必ず予防接種を行うようにしましょう。
予防接種は4月に行います。ワンちゃんを買った時に必ず登録するので、その自治体から予防接種の案内ハガキが送られてきます。それに従ってきちんと行いましょう。

さまざまな動物が感受する狂犬病

狂犬病に感染する原因は、狂犬病ウイルスが含まれた唾液がかみ傷を通じて他の犬や人間の体内に侵入することによります。
感染するのは犬・人間だけでなく、狐・ねずみ・アライグマ・狼・イタチ・コウモリなど色々な哺乳動物も含まれます。なかでも食肉とされている動物は感受性が高いようです。上記の生物は感受性が高いだけでなく、伝播もすることもあります。
人間で狂犬病が感染した場合は、他の人間や犬に伝播することはほとんどないようです。

感染すると治療は不可能

狂犬病を発症した犬を生きているときに診断・治療することはほぼ不可能とされています。診断中に噛まれたら感染するので当然ともいえます。感染を確かめるには犬を安楽死させてからになります。
現在では治療は不可能で感染した場合は安楽死させるしか手はありません。そのため予防接種が必要不可欠となっています。
日本では生後3ヶ月以上の犬は1年に1回ワクチンの予防接種を受けることが法律で義務づけられています。注射による副作用が絶対にないとは言えませんが、犬を飼う以上は必ず受けなければいけないということを覚えておきましょう。

フィラリアの危険性とワクチン接種

フィラリア症とは、フィラリアという名前の寄生虫に感染する病気のことです。この寄生虫は主に蚊が媒介することによってトイプードルなどの犬の体内に入り込み、いろいろな病気の原因となります。
フィラリアが寄生すると、その成虫が犬の体内に無数の子を産みます。それらが血液中に入り、大きくなって心臓や肺などに達してしまう場合が最も危険といわれています。

成虫が多数寄生する前に駆除を

多数のフィラリアが体内にいると、薬での駆除も難しくなります。手術も行われていますが完治は難しいようです。そのため、近年では予防接種に力を入れ、幼虫のうちに駆除してしまうという方法がとられています。
フィラリアを殺す薬には成虫用と幼虫用があります。成虫を殺す薬にはヒ素などの劇薬が含まれているため副作用の恐れがあります。また、肺に成虫がいた場合、それを駆除したとしても肺に死骸が留まってしまいます。そのために抗生物質なども投与されることがあります。

フィラリアを幼虫の時期に殺してしまうための予防接種

トイプードルをこのような危険な目に遭わせないためには予防薬を接種するしかありません。春になったら獣医師にフィラリアのワクチン接種を勧められるのはこのためです。
このワクチンはフィラリアの幼虫を殺すためにワクチンで、これを接種すると、蚊に媒介されて体内にフィラリアが入ってもその段階ではまだ幼虫なので殺すことができるのです。

しかし、すでにフィラリアに感染している場合に接種すると、体内にいる多数の幼虫を同時に殺すことになるので、犬にショック症状が起こったりして危険です。フィラリアの予防薬を接種する場合は事前に必ず感染しているかどうかを確かめてから行う必要があります。
感染している場合の最大の治療ポイントはその寄生している量なので、早期発見が重要になります。

感染すると恐ろしい病気ジステンパー

混合ワクチンには必ず含まれている、予防接種が必須の恐ろしい病気のひとつです。犬に感染してしまうと治療することが難しく、ほとんどの場合で死に至ってしまいます。
成犬になってから感染した場合は発症しないで治ることもありますが、幼犬で感染すると発症する確率が非常に高いのが特徴です。

最初は風邪のような症状から始まる

ワクチンを接種しないでトイプードルがジステンパーに感染すると、感染後数日後に風邪と似た症状が見られるようになります。しばらくすると症状は治まるのですが、治まってもウイルスは体内に留まっている状態です。
それからしばらくすると細菌が二次感染して広がっていき、いろいろな症状を引き起こすことになります。発熱やだるさからくる食欲不振に始まり、嘔吐や下痢、悪化すると血便も見られます。さらに症状が進行すると呼吸器や目など色々な部分にまで広がってしまいます。

症状が進んだ段階での治療は困難

上記のような症状がトイプードルに見られるような段階では治療をしても効果を期待することは難しいようです。
感染して間もない初期症状の段階では免疫血清をたくさん投与して治ることがあるようですが、抗生物質をはじめその他にも大量の薬を投与することになるので副作用の危険性もあります。回復したとしてもその後も体力がなくなったりするので完治といくのはなかなか難しいと言われています。

唯一の有効な防御策は予防接種

ジステンパーのワクチン接種はどの動物病院で接種するワクチンにも入っています。受けることが常識となっている混合ワクチンは、ジステンパーのような「感染すると恐ろしい病気」がほとんどです。感染してからでは手遅れなので1年に1回は必ず受けるようにしましょう。