犬の薬を知ろう

犬が怪我をしたり病気になった場合、少しでも早く動物病院に行く事が大切なのは当サイトでは何度も繰り返しご説明しました。病院に行って診療をしてもらうと多くの場合は薬をもらう事になります。
その際に、薬について詳しく知っていると余計な分を断ったり欲しい薬を要求したりできます。また、その動物病院が信用できるかどうかを判断する指標にもできます。
また、犬のカットの仕事をしているトリマーさんであれば、犬の薬について詳しく知っておくと、ちょっとした会話などで尊敬されるきっかけとなり、仕事にも好影響を与えるでしょう。

大きく分けると薬は2種類

犬に限らず、私たちの生活において薬は欠かせない物になっています。そして「この薬は風邪に効く」など、実績があるからこそ信用して服用していますが、そもそも薬は何故効くのでしょうか?
薬の働きは「菌を殺す・抑える」タイプと「細胞を整える」タイプに分かれます。殺菌とは文字通り体に侵入した菌をやっつけるもので、余計な細菌や寄生虫をを駆除する事をいいます。
細胞を整える薬は、殺菌ほどの即効性はありませんが、正常な細胞を維持したまま病気の原因となっている細胞のみに効くものと、悪い細胞の増殖を抑えながら犬が本来備えている治癒力で自然に治すのを目的としたものがあります。

薬の種類と経口投与

薬はどのように体に効いていくのでしょうか。薬を与える方法は、口から飲ませる、注射をする、皮膚に塗るといった方法がありますが、最終的には血液中に入ることによって効果を期待します。
一般的に、即効性と確実性があるため緊急性を要する場合に注射そ使用し、それ以外は副作用が少なく家庭でも服用できるので手軽な飲み薬がメインとなります。
人間では多く使われている塗るタイプの薬の場合、犬は舐めてしまうのであまり使用されません。やむを得ず使用しる場合はエリザベスカラーも必要になるので手軽とはいえないでしょう。

飲ませるか食事に含むかは自分次第

口から飲ませる一般的な薬の与え方を「経口投与」といいます。これは、強引に飲ませる方法と食事に混ぜる方法がありますが、獣医師はプロなのであっさりと飲ませる事が多いようです。動物病院で見た方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ただ、家で自分で飲ませようとするとなかなか上手くいきません。その際は食事に混ぜて与えるとほとんどの場合は上手くいきます。できなかったら獣医師に聞いてみましょう。また、いつもカットやシャンプーをしているトリマーさんに聞いても良いアドバイスがもらえるかもしれませんよ。

副作用が少ない分、効能は注射よりは劣る

口から与える経口投与の場合、胃に入って肝臓や小腸まで届き、血液または便となって循環したり排出する事になります。従って、すべての薬の成分が体に行き渡るわけではないので、場合によっては効果が出ない事もあります。しかしその分副作用の心配も少ないといえます。

怪我と外科の薬・治療

犬も私達と同じように「痛み」を感じます。しかし人間では痛いというのが怪我や病気によるものだと理解できますがダックスなどの犬の場合、ただ痛いという思いだけなのでイライラしたり元気がなくなったりします。怪我で血が出ている場合や足を引きずっているとすぐに分かりますが、パッと見でわからない箇所を痛めている場合にはよく観察してやらないと気がつかないことがあります。
トリマーの方には経験があると思いますが、トリミングサロンにカットに出してそこで初めて怪我をしている事がわかる事もよくあります。ダックスと毎日ケアをしてスキンシップをとって怪我に早めに気づいてあげるようにしましょう。

外科で使用される薬

怪我やアレルギーなどで組織に異変が起こると炎症反応が出ます。炎症自体は犬の体に必要な反応で、それによって体を防御しようとしているのですが、放っておくと正常な箇所まで悪くしてしまうので治療が必要になります。
犬で多く見られるのは炎症です。その箇所や原因によって薬はさまざまですが、痛みが激しい様子の場合は鎮痛薬を使うのが一般的です。細菌が絡んでいる場合は抗生物質、炎症がある場合は抗炎症薬、アレルギーがある場合は抗ヒスタミンなどがよく使用されています。

注射と麻酔

動物病院では注射がよく使用されます。注射は血液に直接入るので即効性があり確実性もあります。外科の場合の注射というと麻酔があります。
普段大人しいミニチュアダックスフンドでも、病院でベッドに寝かされて大人しくする子はまずいません。手術の場合はもちろん大がかりな治療の際にも麻酔が使用されます。局部麻酔も使用しますが、全身麻酔を使用する事はかなり多いといえます。避妊手術の際にも全身麻酔をする事になります。

処方される薬の名前

近年では、犬の薬が増え、市販でも多くの薬が売られるようになりました。市販の場合は動物病院に通うよりも安価に抑える事ができますが、あまり知らないで与えていると効果が期待できないだけでなく副作用のリスクも高くなります。自分で本やインターネットで知識をつけた上で選ぶようにしましょう。

同じ成分でも中身が同じの薬も多い

市販されている犬の薬には商品名と成分が記載されています。成分がまったく同じであるにも関わらず商品名が違う事があるのは、独占販売をしていない薬という事です。多くの製薬会社が同じような成分で作っている薬は、それらの製薬会社が認めているという点で安全といえるかもしれません。
人間の薬でもそうですが、違うコマーシャルで製品名も異なってパッケージデザインも全然違うのに成分が同じという事があります。このような豆知識はトリマーとしてカットのお客様との会話で役立つかもしれませんね。

仲間をつくって薬の情報を仕入れよう

市販されている薬は副作用の危険性が少なかったり今までの実績がある薬が多くなっています。動物病院で処方される薬にも同じようなものがありますが、症状が重い場合に与える薬は市販されていない事が多いといえます。
薬の情報はインターネットや本以外でも色々な人から聞いておきたいものです。友達をつくっておけば薬のリアルな口コミが聞けるかもしれません。散歩の最中やカットの待ち時間などを利用して仲良くなってみてはいかがでしょうか。