頑丈な骨や筋肉に守られている肺

犬の肺にも気管支・動脈・静脈などがあり、それぞれが細かく形成されて役割を担い、吸い込んだ酸素と不要な二酸化炭素を酸素に変えて体内に巡らしています。肺まで空気を入れる鼻から気管と気管支を経由して肺に辿り付きます。肺はとても重要な部分でもある事から、頑丈な肋骨や筋肉に守られています。
トリマーの皆さんはトリミングサロンにカットに訪れるポメラニアンをいつも何げに抱っこしていると思いますが、頑丈な肋骨の中には精密な心臓や肺が入っている事を考えると、健康について考える時間も増えるかもしれません。是非習慣にしてください。

呼吸器の病気は努力次第で早期発見が可能

鼻から入って肺に行くまでの呼吸器に細菌が侵入すると、どこかで炎症などの不具合が起こります。また、鼻で炎症が起こっているとその細菌は奥まで侵入している可能性もあります。気管支や肺まで細菌やウイルスが侵入すると症状も重くなり、治療も困難になります。
呼吸器に異常が出ると呼吸の数が多くなる事があります。できれば定期的にポメラニアンの呼吸数を計り、明らかに過呼吸をしている場合は呼吸器の病気を疑いましょう。早期発見する事で完治する可能性も高くなり、治療費は安く済みます。

ポメラニアンの肺に血液を送る肺動脈

犬の心臓の役割のひとつとして、肺に血液を送る事が挙げられます。この際に主役となるのが肺動脈という部分で、心臓と肺を繋げる役割を果たしています。ですので、希にこの動脈が狭かったり何らかの理由で塞がれた場合、心臓から肺に血液の流れが悪くなったり、最悪の場合は流れなくなってしまいます。

小型犬に多い肺動脈の狭窄

ポメラニアンのような小型犬では先天的に心臓関連の病気が見られますが、この肺動脈が生まれつき狭い犬も確認されています。狭いがために心臓に負担がかかって肥大してしまったり、肺に血が行かないために血圧が低下しやすくなります。
この病気は子犬の頃から起こりうるので、ペットショップやブリーダーが扱っている子犬のなかで呼吸が荒かったり運動が苦手な子がいれば、肺動脈の狭窄が多少疑われます。親が同じような病気になっていなかったか注意する事が必要です。

症状によっては外科治療も

症状が軽いと発見できないまま成犬になり、大きくなってから発見される事もあるようです。その場合でも特に生活に支障がない場合は治療もしないようです。症状がはっきりして、それが原因で呼吸が困難になっていると手術の可能性も出てきます。
トリマーとしては肺動脈なんか知らなくてもいいよ、と言われるかもしれませんが、ワンちゃんの健康のために知っておきたい知識です。トリミングサロンにカットに来たお客様のポメラニアンが呼吸が荒いと感じた場合は、動物病院で一度診察する事を勧めてみましょう。