ポメラニアンとカルシウム代謝

ホルモンを分泌している内分泌腺のひとつに「副甲状腺」がありますが、ここではカルシウムの代謝を促すホルモンが分泌されています。もしここに異常が発生すると、当然ながらカルシウムが体中に行き渡らなくなるのでカルシウム不足になります。そうすると、骨だけでなく筋肉も機能しなくなり、腎臓などの内臓もはたらきが悪くなります。

血液中のカルシウムを一定量にするためのホルモン

副甲状腺の分泌不足は正確に言うと「上皮小体」という部分から出るホルモンの不足です。ですので別名上皮小体機能低下症とも呼ばれています。
このホルモンは、血液中のカルシウムの濃度をある程度一定に保つ働きをしています。血液中のカルシウムが不足すると骨などから不足分を補って一定を保とうとします。しかしホルモンの分泌に異常が起こるとカルシウム不足の状態が続き、骨折しやすくなったり運動ができなくなったりします。

短気とカルシウムは関連している?

よく「カルシウムが不足している」という言葉で短気な人を揶揄したりしますが、確かに血液中のカルシウムが足りないと、ホルモン達が骨からカルシウムを補ったりして体の機能が悪くなります。その結果、気が荒くなったりする事もあるのかもしれませんね。
トリマーは冷静にカットやトリミングをするのが仕事です。お客様のワンちゃんに吠えられたりしても怒らないように普段からカルシウムを十分に摂っておきましょう。

犬とビタミン

犬は年齢を重ねるにつれてビタミンの重要性が増していきます。健康な時は、普通に生活をしているだけである程度のビタミンが自然に補給されていきますが、病気になったり妊娠しているとビタミンが自然に補給されずに不足してしまう事があります。
サプリメントに頼るのはあまり良いとは言えませんが、場合によってはビタミン剤を飲むのも必要な時があります。

バランスが重要

また、ビタミンはバランスが重要です。同じビタミンばかり与えると体に逆に悪影響となります。トリマーとしてカットのお客様に相談された場合は最後に「獣医師に聞いてくださいね」と付け加えるようにしましょう。
また、人間と同じようなビタミンのバランスでは犬にってベストとはいえません。例えば、ビタミンAよりもDの方が犬にとっては必要になります。
サプリメントは市販でも手に入りますが、軽い気持ちで買うのはやめましょう。