ポメラニアンも糖尿病になるの!?

鮮やかな毛並みと子供っぽい顔、ロングスタイルやショートカットなどさまざまなトリミングのバリエーションもあるポメラニアンですが、人間と同じように糖尿病になってしまう事もあります。

糖分が吸収されずに排出されてしまう

糖尿病を患っていると、糖分を摂ろうとしても吸収ができず、血液中に糖分がどんどん増えていきます。これだけでも良くないのですが、血液中の糖分が多すぎて腎臓で処理しきれず、腎臓にも負担がかかります。
腎臓では本来水分の栄養を吸収するのですが、糖が多すぎると尿をたくさん排出しようとしてどんどん尿が出ていきます。そのため、水分がほとんど体に吸収されないで排出し、飲んでも飲んでも喉が渇いた状態が続きます。そのため、糖尿病のポメラニアンはいつでも水を欲しがるという症状が見られます。
感染する病気ではないので、トリミングサロンでカットをするのには影響はありません。

インスリンと食事の改善で治療をはかる

子供のポメラニアンにはほとんど見られませんが、歳を重ねてくると発症率が高くなります。この病気は遺伝によるものが多いとされていますが、ポメラニアンに関しては先天的なものはそれほど多くはないようです。ただ、親が糖尿病を患っていたとすると発症率はかなり高くなります。
治療方法としては人間同様インスリンを与えるのが一般的です。また、大事なのは食事療法で、獣医師とよく相談して食生活を改善していく事になります。

ポメラニアンを糖尿病から守ろう

家でも検査ができるので、念のため検査をするのがおすすめです。検査はリトマス紙のようなもので、尿を検査紙につけてその色を調べます。食後すぐに取るとだめなので、食べてから2時間位はおきましょう。また、寝起きに調べるのも有効です。
ちなみに、犬用の検査紙もありますが、人間用でも代用可能です。

血糖値を計る前には絶食が必要

自宅の検査だけでは不安な場合や結果が悪かった場合は病院で検査してもらいましょう。病院では血糖値を計ることになります。正しい血糖値を計るときは絶食しなければならないので、あまりに頻繁に行うのは酷です。
血糖値を計るのはストレスがない状態が好ましいとされています。興奮していたりするとその影響で上がる事があるからです。トリミングサロンでカットしたりお出かけをした後などは若干興奮も残っているかもしれないので、家で大人しくしてから動物病院に行くのが良いでしょう。

食生活と適度な運動は飼い主の役割

糖尿病は遺伝的なものが原因な場合もありますが、食生活と運動量にも大きく関係します。人間でもそうですが、動かないで甘いものばかり食べているとホルモンのバランスが崩れ、糖尿病などの病気を引き起こす原因となります。
正しい食生活を続け、毎日適度な運動をさせるのが最大の予防方法です。美しい毛を保ってカットスタイルを楽しむには健康な体が不可欠です。糖尿病は飼い主の努力によってある程度防げる病気といえます。

血液中の糖分濃度が不足する低血糖症

糖尿病は体に吸収されないために血液中の濃度が高くなるために引き起こる病気ですが、逆に、血液中の糖分が不足しても病気になります。これを低血糖症といいます。この病気は、膵臓を患っている犬に起こる事があります。また、糖尿病の治療でインスリンを投与し過ぎて血液中の糖分が不足してしまう事もあります。

スタンダードプードルなどの大型犬に多い低血糖症

血液中に糖分がないと体の具合が悪くなる、というのは意外と知られていません。犬のカットを生業としているトリマーとしては知っておきたい知識です。
低血糖症になった犬は、軽度であれば元気がなくなる程度ですが、症状が重いとけいれんを起こしたり下半身が麻痺する事もあるようです。糖分がどの程度不足しているかにもよると思われます。
ポメラニアンよりはシェパードなどの大型犬で見られるようです。スタンダードプードルでも確認されているので、トリマーとしては知っておきたいところです。

インスリンが原因の場合はただちに処置を

ポメラニアンの場合は生後2~3ヶ月の子犬がこの低血糖症になる事が多いようです。主に冷えや空腹が重なった時に起こると言われています。動物病院でブドウ糖を補給して治療するのが一般的で、足りなくなった糖を補給すると回復するのがほとんどのようです。
成犬で低血糖症を発症した場合、そのシチュエーションによって対応が変わります。単に糖分が不足している場合は食事で糖分を補給して治る事もありますが、糖尿病でインスリン治療をしている場合は動物病院で至急糖分を与えなければなりません。