計画性と利益の現実性をアピールするトリミングサロンの収支計画書
日本政策金融公庫に融資を申し込む際、「創業計画書」にある「事業の見通し」欄の数字を現実的と思わせるためには、少しでも多くの根拠が必要です。
融資担当者を納得させる最大の武器は「数字」です。カットに自信があると口でいくら説明したところで担当者は納得しません。収支計画書で具体的な数字の根拠を作ってみましょう。
考え込んで時間がかかりすぎないように注意しよう
これから始めるお店の売上なのですべてが予想であり皮算用です。予想は何通りでも出てくるので、考え込んでしまうとキリがありません。自分で妥協できる範囲や時間を設定して考えるようにしましょう。
最初は全体的に大雑把に作り、なんとなく完成してから詳細を詰めていく感じがおすすめです。一箇所で悩んでしまうと先に進まなくなります。
売上予想はキリがない
特に迷うのは「売り上げの予想」です。経費は予想ではなく予定なので揺るぎませんが、売り上げは自分の主観と客観的な背景をミックスしますので、何通りも出てきます。
迷ったら、Aパターン・Bパターンの2通りの収支計画書にする方法もあります。ただし、その場合もそれぞれの根拠は説明できるようにしておきましょう。
その数字を使って融資担当者に根拠を説明して納得してもらうのが目的なので、それを忘れないようにしてください。
最低限の項目があればOK!オリジナルの個性的な収支計画書をつくろう
収支計画書は、事業計画書と同様、これといった決まりのフォーマットはありません。そのため、取り掛かりの際に気が重くなりがちです。
しかし、オリジナルのトリミングサロンを創り上げていくわけですから、お店の外観を作るような気分で自分独自の収支計画書を作ってみてはいかがでしょうか。
計算書以外に今の店で自分のカットで売り上げたデータを持ち出すのも有効手段です。
最低限必要な事項は
- 売上予定の詳細
- 水道光熱費・家賃等の経費
- 売上から経費等を差し引いた収支
- 売上の元となる顧客を獲得する方法
- トリマーへの給与の詳細(人件費)
- 融資の返済計画
などです。
少しでも多くの売上の根拠をみつけよう
売上はあくまでも予想なので、ここが説得する肝でもあり難しいところです。いろいろなデータを使って現実性をアピールしましょう。
トリミングサロンなどの美容系を開業する場合、以前勤めていたお店で指名されていた顧客を引き抜く事もできますね。そのような有利な条件もこの収支計画書を使ってアピールするといいでしょう。
売上予想は、現在勤めている、または以前勤めていたお店を引き合いに出すと説得力があります。トイプードルが得意であれば、他の犬に比べて単価が高い点もしっかりとアピールしたいところです。
収支計画書の肝!売上予定の詳細を考える
創業計画書や収支計画書に記入する収支を予想するために、お店の経営のメインである「売上額」を予想していきましょう。
雑貨屋など、細かな商品がたくさんあるお店の場合は売上予想が難しいですが、トリミングサロンは犬の種類別単価と顧客数を乗算すればいいだけなので比較的簡単ですね。
ポジティブかつ現実的に売上を予想
融資をするための予想なので、ネガティブな考えは置いておくのがコツです。とはいっても根拠がある予想でないと融資担当者に対する説得力も低くなります。
いちばんベターなのは、今のお店の売上を例にとってみることです。100パーセント同じというわけにはいきませんが、70~80パーセントの稼働率で考えるのがおすすめです。
例えば、今のお店ではトリマーがフル稼働していて一人当たりの稼ぎが50,000円だとしたら、35,000円~40,000円位を見込む、といった感じです。
売上予想と同時に顧客獲得のアイデアも生み出す
その中には当然自分を指名してくれていたお客様も入れるようにしましょう。月に10人のトイプードルの指名客がいたとして、そのうち5人は獲得できる、などです。
そのお客様からの口コミ客の予想もしましょう。5人それぞれ3人に口コミしたとして、そのうち何人が来客してくれる、といった感じです。
このように、色々な角度から顧客を獲得するケースを予想してみましょう。頭をひねればどんどんイメージが湧いてきます。
この作業は、予想するだけでなく、実際に売り上げを獲得するためのアイデアを出すという副産物も生んでくれます。
収支計画書のためのトリミングサロン原価率
専門店の場合は販売よりもサービスの原価率算出に力を入れる
総合ペットショップのように、トイプードルやチワワなどの犬の生体やさまざまなグッズやフード・おやつなどを販売するお店の場合は時間をかける必要がありますが、トリミング専門店の場合は物品販売の原価率で躍起になる必要はないでしょう。
グッズやフードの販売を行うサロンでも、トリミングに来てもらうための販売、という考えですよね。そこで原価率を意識して時間をかけるのも無駄になります。
時間を短縮するには「今のお店」から引き出してみる
物品販売や飲食店のように原価率を算出するために時間を使うのも勿体ないので、現在トリマーとして働いているお店に聞いてみましょう。
主なものとしては、シャンプー・リンス・トリートメントになりますが、その他オプションなどでサービスをする場合に発生する事もあります。
種類が少ないので、仕入先を決めてあらかじめ値段を把握しておくのも有効な手段です。計画性をアピールするためにもおすすめします。
トリミングサロンで重要なスタッフ雇用計画
創業計画書にある「事業の見通し」における売上原価については、トリミングサロンの場合は物品販売や飲食店に比べて重要性が低い事は前述しました。
しかし、その下にある経費の最初の欄の「人件費」は、しっかりと考えて融資の担当者にアピールする材料にしなければなりません(自分ひとりがトリマーのお店の場合が別ですが)。
揺るがない給与基準を決めておこう
トリマーは経験によっても給料が変わってきますね。雇う人が決まっている場合はすぐに算出できますが、これから決めようと思っている場合は、後で変更がないように固定の「決まり」を作っておくことをおすすめします。
カットコンテストやドッグショーを経験しているような、積極的にトリミングに取り組んでいる人に来てもらうにはそれなりの待遇も必要になります。
決め方としては、「経験年数」「経験頭数」「テストによって決定」などいろいろありますね。自分なりの決まりを作ってデータ化し、担当者に説明できるように準備しておきましょう。
人件費の決定はオーナーとしてのセンスの見せどころ
トリミングサロンの場合、人件費をつぎ込むとその分売上の予想も高くなります。問題はそのトリマーがフル稼働できるかどうかですね。
最近では固定給ではなくカットした分だけ支払うといった歩合給を取り入れているお店も見かけますが、雇うスタッフをそのように雇用するのはちょっと難しいところです。
いずれにせよ、独立するにはそれなりの「自分の考え」があるはずです。自分なりに「一番良い」と思う方法で雇ってみてはいかがでしょうか。
とりあえず最善と思った案を考え、親兄弟、親友などに客観的な意見を聞き、少しずつ修正していくのがベターかもしれませんね。
重要なスタッフ雇用計画
創業計画書にある「事業の見通し」における売上原価については、トリミングサロンの場合は物品販売や飲食店に比べて重要性が低い事は前述しました。
しかし、その下にある経費の最初の欄の「人件費」は、しっかりと考えて融資の担当者にアピールする材料にしなければなりません(自分ひとりがトリマーのお店の場合が別ですが)。
揺るがない給与基準を決めておこう
トリマーは経験によっても給料が変わってきますね。雇う人が決まっている場合はすぐに算出できますが、これから決めようと思っている場合は、後で変更がないように固定の「決まり」を作っておくことをおすすめします。
カットコンテストやドッグショーを経験しているような、積極的にトリミングに取り組んでいる人に来てもらうにはそれなりの待遇も必要になります。
決め方としては、「経験年数」「経験頭数」「テストによって決定」などいろいろありますね。自分なりの決まりを作ってデータ化し、担当者に説明できるように準備しておきましょう。
人件費の決定はオーナーとしてのセンスの見せどころ
トリミングサロンの場合、人件費をつぎ込むとその分売上の予想も高くなります。問題はそのトリマーがフル稼働できるかどうかですね。
最近では固定給ではなくカットした分だけ支払うといった歩合給を取り入れているお店も見かけますが、雇うスタッフをそのように雇用するのはちょっと難しいところです。
いずれにせよ、独立するにはそれなりの「自分の考え」があるはずです。自分なりに「一番良い」と思う方法で雇ってみてはいかがでしょうか。
とりあえず最善と思った案を考え、親兄弟、親友などに客観的な意見を聞き、少しずつ修正していくのがベターかもしれませんね。
トリミングサロンの売上予測は徐々に増やしていくのがベター
開業資金を融資するための日本政策金融公庫や銀行などに見せる創業計画書、事業計画書に合わせて作りたい収支計画書ですが、詰まるところメインとなるのは「売上予想の算出」といっていいでしょう。
売上の予想は融資担当者に納得できるものに
売上原価・経費などは、仕入れ先が決定すればある程度一定の金額が算出できます。しかし、売上は予想が前提となるので、人や考え方によってかなり差が出る部分といえます。
気が強いな人は大胆な売上予想をし、弱気な人は控えめになりがちですが、いずれにせよ、いずれ店が軌道に乗って安定した売り上げを出すまでの過程が重要です。
口コミ効果など具体的な上昇の理由を用意する
売上予想は、開業当初から1ヶ月毎の数字を算出していきます。広告宣伝費に費用をつぎ込んで自信があるからといって、実績がないのに最初からフル稼働するといった皮算用をするより、徐々に上げていく方法がベターです。
最初は顔見知りのトイプードルの飼い主などが中心なので売り上げは少ないものの、口コミと宣伝効果で少しずつヨークシャテリアやシュナウザーなどのお客様が増えていく、といった具合で、徐々に売上額を伸ばして最終的に融資を返済するといったシナリオが融資担当者を納得させるには無難な方法といえます。
トリミングサロンの予想営業利益を算出する
簿記的な営業利益の考え方は「売上総利益-販売費および一般管理費」になります。これはトリミングサロンだけでなくどのような商売でも同じです。
ややこしい簿記の計算方法
簡単に言うと「売上から経費を差し引いたもの」といった考え方になりますが、簿記は計算過程がややこしいので今は深く考えないようにしましょう。ちはみに今は税金の事は考えなくても大丈夫です。
売上総利益というのは売上(カットで頂いたお金)から原価(シャンプーなどカットするために要した費用)を引いたものです。「原価と経費って何が違うの?」と感じるかもしれませんね。
今はとりあえず「原価」は仕入れなど「売上に直結している費用」で、「経費」は水道光熱費など「間接的に関わっている費用」と覚えておきましょう。
現実的に返済ができると思わせるのが最優先
その売上総利益(売上-原価)から販売費および一般管理費(経費)を引くと営業利益なのですが、皮算用で売り上げを計算していると、現実的に多くなったり全然売り上げが立たない事がよくあります。
問題は融資担当者に現実的で納得ができるようにし「返済可能」と思わせる事です。
月々の経費は開業当初と1年後でも大きく変わりませんが、売上は開業してから徐々に上がって行くのが一般的なので、当然利益も上がっていく事になります。
開業当初の1~3ヶ月は赤字になるが、徐々に黒字化して1年後には軌道に乗って…というのがよく使われる予想パターンです。