販促は効果を見ながら調整するのがおすすめ

お店のオープン当初に行う販促は、全てにおいて試行錯誤の繰り返しになります。
ある程度の情報を得たとしていても、どの地域に犬の飼い主が多いか、多くてもトイプードルなどのシャンプーコースの犬種の飼い主が多いのか、カット犬種が多いのかなどは、しばらく経ってみないと判断ができません。

具体的なデータを集めて販促に生かそう

その判断も、適当に販促をして抽象的なデータしか残していては、いつまでたっても進歩しません。どの地域を重点的に販促活動を行えば良いかを少しでも早く捉えたいところです。

そのためには、チラシの投函が効果的です。インターネットは閲覧する人が不規則なので判断の対象になりませんし、口コミも偏りが考えられます。
その点チラシは、狙った場所に販促をかけられるので、地域ごとの費用対効果が顕著に現れます。
効果的な方法は、最初は主観で判断せず、まわりにまんべんなく広告を投函します。数か月後にはある程度の地域のデータがとれるはずです。

数ヶ月かけて自店だけのオリジナル販促用データを作る

肝心なのは、来店してくれたお客様に「何を見て当店を知ったか」を聞く事です。皆がやっている事ですが、カルテの項目に入れたりして必ずわかるようにしておきましょう。

数か月後、お客様のデータを地域に分けて統計を取れば、ある程度の偏りが見られるでしょう。その場所にどのような犬種の飼い主が多いかもわかってきます。

仮にトイプードルのシャンプーコースのお客様が多い地域があるとすれば、単価の高いカットコースがメインの犬種のお客様が潜伏しているかもしれません。
統計を取って作戦を立てるのはオーナーとして重要であり、面白いところですね。

街の雰囲気にマッチしたトリミングサロン宣伝作戦

トリマーが独立してお店を立ち上げる際、どのような指南本やサイトにも掲載されている事のひとつに「広告宣伝をしっかりと行おう!」というのがありますが、さて、どのようなお店のスタンスでも同じなのでしょうか。
カット技術に自信があるならチラシやポスターで存分にアピールしたいところです。

地域の特性を掴んで広告宣伝を行うのがポイント

場合によっては、広告宣伝を派手にやりすぎると逆効果になる場合があります。例えば、静かな住宅街の一角にオープンしたこじんまりとした可愛い店が、開店前にチラシをやたらめったらに配ったり、派手な宣伝用の看板などを設置するとどうでしょう。

絶対に失敗するという事はありませんが、費用対効果を考えると、上記のような宣伝はおすすめできません。
また、地域によっては、口コミ効果の期待が他の地域よりも高い場合があります。事前の聞き込み調査でそのような事が判明していた場合は、その線で作戦を立てると効果が高くなるでしょう。

逆に、隣の人の顔もわからないような都会の場合は、口コミよりも宣伝の方が威力を発揮するのが一般的です。以上のような地域の特性をつかむ事がトリミングサロン成功のカギとなるかもしれませんね。

リピーターのトリミング客を増やすための基本戦略「DM」

昔からあるリピーター獲得手段にダイレクトメール(DM)がありますね。トリミングサロンを経営しているオーナーなら一度はやった事はあるのではないでしょうか。
パソコンや携帯電話、スマホそれぞれの広告戦略やLINE・Facebook・twitterなどのSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の速い流れが目立つ世の中ですが、いまだに「郵便」というアイテムは健在です。

チラシと比べて見てもらえる可能性が圧倒的に高い

アナログ系の広告にはその他に「チラシ」などもありますが、DMのメリットは「一度は目を通してもらえる」事が挙げられます。
当然その分手間がかかり、チラシに比べると単価もかなり高くなりますが、やってみる価値はあるでしょう。ただし質が悪いDMは逆効果になるので気をつけましょう。
基本的には、可愛いイラストなどを使って仕上げれば好感度は上がります。たくさん情報を載せたいからといって文字だらけにならないようにしましょう。

全てのお客様が住所を教えた事を覚えているわけではない

ダイレクトメールを出すと、意外なクレームをもらう事があります。
「なんで住所知ってるんだ?」と、自分の個人情報漏えいに神経質になっている人などは、住所を教えた事も忘れてクレーマーと化すことがあります。以前に利用していたからといって全ての人が覚えているとは限りません。

その対策としては、最初のトリミングの際に作るカルテに「ダイレクトメールを送付して良いか」をはっきりと明記してチェックしてもらう事です。
お客様はとてもありがたい存在ですが、残念ながら中には理不尽な事をおっしゃる方もいらっしゃいます。DMなどの個人情報が絡む場合は特に注意してください。

知名度アップに古典的な電柱広告・駅ポスターも侮れない!?

街中でよく見かける電柱の広告ですが、どれほどの効果があるのでしょうか。当然、その電柱の場所にもよりますが、経験者の話では「多少の効果はある」というのが多いようです。

駅に貼るポスターは、駅の近くに店舗がある場合には有効のようです。当然ポスターに目が行って興味が湧いても電車を利用している人では駅から遠いと二の足を踏んでしまいますね。

初期費用がある電柱広告は「短い店名」が有利

電柱広告の場合はデザインが決まっているので、お店の名前のインパクトが重要となります。文字数が少なければ少ないほど目立つので、名前が短い店のオーナーは一度試してみると良いかもしれません。

ちなみに店名の横側に「トイプードルのカット・トリミングはお任せ!」などの文字を入れる事も可能です。
料金は、自治体によって異なりますが、初期費用に2~3万円ほど、月額2,000円位見ておくと良いでしょう。

とにかくインパクト!目立ってなんぼの駅ポスター

駅のポスターを利用しているトリミングサロンはあまり見かけませんが、駅近だけど目立たない場所にお店がある場合は効果が期待できます。
ポスターの場合は自分でデザインを考えられるので、とにかく目立たせる事を考えましょう。いくつかのポスターに並んで掲示される場合は、隣よりも目立たせる必要があります。

思い切ってトイプードルかなんかのイラストをどーん!と出すような奇抜なデザインが功を奏する場合もあります。電柱広告と違って初期費用もないので(制作費はかかりますが)、何度か試してみるといいかもしれません。

いずれにせよ、トリミングに来られたお客様にアンケートを取り「どの媒体でお店を知ったか」は把握するようにし、統計を取ってください。そのなかで少しずつ効果的な広告に絞っていくと効果的です。

トリミングサロンの良さを口コミで宣伝してもらうには

お店を宣伝するにはさまざまな方法がありますね。トリミングファンのような検索サイトに登録したり、自分のお店のホームページを立ち上げたりするネット戦略から、チラシを配るなどといったアナログ的なものを組み合わせるのが一般的です。

知人からの紹介はネットの口コミと比較にならない!?

しかし、いちばん経済的でお客様がリピーターになりやすいのが「口コミ」で来てくれるお客様かもしれません。
ホームーページの口コミの場合、どれだけ褒めても信頼性はそれほど期待できませんね。また逆に褒めれば褒めるほど「本当かなあ」と疑いたくなるのが人間の常。
利害関係のない知人が自分に「トイプードル超可愛くしてもらったお店、とっても感じよかったよ」という一言だけでも莫大な宣伝効果になります。

お客様にはできる限り親身に

そのように伝えてもらうには、当然ながら「知り合いの人にもご紹介くださいね♪」などと言うのは逆効果で、「誰かに教えてあげたい」と思わせなければいけません。
そうするにはどうすれば良いでしょうか。奇抜でお洒落なカットやカラーリングでしょうか。スピードでしょうか。コストパフォーマンスでしょうか。

カット技術やスピード、コスパがあるに越した事はありませんが、一番重要なのは「心を掴む」事です。お客様が何を求めているかを把握し、接客では親身になって対応するようにしましょう。
難しい事ですが、これができるかできないかで固定客の安定度が大きく変わってきます。「人の心なんか分かんないよ」と思う人でも親身になる事から頑張ってみましょう。

宣伝チラシは自作と業者任せとどちらがお得?

商圏に住んでいる飼い主には、チラシやフライヤーなどのアナログ宣伝が効果的です。
最近はチラシを制作する値段もかなり安くなりましたが、それでもできるだけ費用は抑えたいところです。しかし効果の薄いチラシを作って配るのも避けたいところ。

コストを安く作成するなら自作&自分でポスティング

コストの削減を重視するなら、チラシはパソコンで自作して自分で印刷し、自分で商圏を走り回ってポストに投函するという手があります。
時間はかかりますが、かかる費用はインク代と用紙代だけという安さ。これを実現するには自分でデザインとレイアウトをできる技術を習得しなければなりません。

中途半端なwordのデザインなら手書きがおすすめ

ワードやエクセルなどのマイクロソフト系のソフトでも作成できますが、どうしてもデザインが素人っぽくなってしまいます。
中途半端にソフトを使用して作るなら、いっそのこと全て手書きで作る方が良いの作品ができる可能性が高いといえます。
トイプードルのイラストやカットをしている写真を上手に使えば、ちょっとした工夫で面白いチラシができるかもしれませんよ。
wordを無理やり使って暖かみのない活字を並べるより、生きている感じがする手書きの方が面白いチラシはつくれるはずです。チョークアートを自分でつくるように自分でデザインしてみてはどうでしょうか。
カットをしている写真やイラストを切り抜いて貼り付け、それをカラーコピーするだけでもチラシは作る事ができます。空いている時間にいろいろ試してみましょう。

やり方次第では効果のあるティッシュ配布でサロンを宣伝

トリミングサロンにお客様を呼び込むための方法のひとつに「ティッシュ配り」があります。この方法は地域密着のお店にとってはとても効果的で、都会では毎日のように見かけますね。

シンプルな内容のティッシュを爽やかに配ろう

ティッシュを配る際に受け取ってもらうコツは「取った後しつこくしてこなそう」と思わせる事です。よく絵画の店に連れ込むためにティッシュを配ったりしていましたね。あんな雰囲気にならないようにしましょう。

また、せっかくお金をかけてつくるティッシュですから、ちゃんとした宣伝をしたいところです。媒体が小さいので伝えたい事をまとめるのは大変ですが、とにかくインパクトのある言葉をひとつ考えましょう。

その言葉は、人から人へ紹介される時に伝えるキーワードにもなります。「カットにこだわる店」といったようなものでも構いません。伝えてほしい言葉を文字にしましょう。

あまりにも伝えたい事が多すぎて字が細かくなるようでは効果は期待できません。ティッシュを受け取って中身を見る人は、最初に興味を惹かれた人だけです。

警察署で許可をもらうのを忘れずに!

ちなみにティッシュの配布には最寄りの警察署の「許可」が必要になります。無断で配った場合は処罰の対象となるのでくれぐれも注意してください。

口コミや紹介をしてくれたお客様へ伝える事

お店の宣伝をできるだけリーズナブルに効率よく行うひとつの手段に口コミがありますね。この口コミの特徴として、同じ人が何人かに紹介しているケースがよく見られます。

「誰の紹介なのか」に着目しよう

口コミの場合、宣伝してくれた事実を知るには、来店したお客様から聞き出すしかありません。初来店したお客様には必ず「どうやって当店を知ったか」聞く、または書いてもらうようにしましょう。

そして、「友達・知人の紹介」であれば、誰に聞いたかも分かるようにします。もし伝えたくなければ無理に聞いてはいけませんが、プレゼントを贈るという事であれば喜んで伝えてくれるでしょう。

金品やサービスだけでなく感謝の気持ちも伝えよう

紹介してくれた人には当然何かをしなければなりません。トイプードルのカットで来てくれているお客様であればトイプードルに関するグッズや割引チケットを贈答してあげましょう。
ただ、その紹介してくれた人が店に来なくなっている可能性もあります。一度来店しているのであれば住所は分かるはずなので、感謝の言葉と割引クーポンなどを添えて、「はなちゃんはお元気ですか」など、再来店を促すダイレクトメールを送ってみましょう。

住所を聞かない方針を取っている場合は、メールでやってみましょう。いずれにしても、紹介してくれたお客様は少しでも大切にするように心がけてください。

忙しくてもできるだけ多く参加したいドッグショー

雇われてトリマーとして働いている時代は、よほどの事がない限り自分で飼っているトイプードルなどの愛犬でドッグショーに参加するという事はなかったと思いますが、トリミングサロンを開業するとなるのであれば、登録して積極的に参加する事をおすすめします。

ドッグショーに参加しているというだけでも好印象

そして自分でウェブサイトを編集できるなら、ドッグショーの様子をアップしてみましょう。賞を取ったならもちろんそのことも掲載するといいでしょう(控えめに)。
できれば、自分の子だけでなく他のワンちゃんの様子もアップして(事前に許可が必要ですが)、ドッグショーそのものの情報も掲載してみましょう。

気の合う仲間ができるというメリットも

ドッグショーには、志が同じようなトリマーやトリミングサロンのオーナーが、自慢の愛犬を引き連れてわんさかやってきます。
そのなかには当然、自分よりも経験が豊富で知識も持っている方がたくさんいらっしゃいますね。最初は気が引けますが、できるだけ積極的に話しかけるようにしてみましょう。

お互いに犬が大好きなので話題は尽きないはずです。カットの技術の事でも、お店の経営の事でも何でもかまいません。
そうこうしているうちに、その人の友達とも知り合いになれるかもしれません。何度もドッグショーに参加していると、知らず知らずのうちに「素晴らしい友人」がたくさんできている事でしょう。