ペットホテルを併設するか否か

トリミングサロンを立ち上げる際に迷うポイントに「ペットホテルも営業するかどうか」というのがありますね。場所が広かったり自宅兼用なので24時間対処できるからカットだけではもったいない、といったような理由が挙げられます。

条件が揃っているかどうかのチェック

「ホテルもできそうだな」と漠然と考えるのではなく、条件を満たしているかどうかを整理して考えてみましょう。

  • 広さ
    個室をたくさん置けるスペースがあるかどうか。
  • スタッフのスキル
    カットやシャンプーの技術だけでなく、実際にトイプードルなどの犬を飼っていて慣れているかどうか。
  • スタッフの余裕
    散歩や世話を十分に行える時間があるかどうか
  • 緊急の対処
    近くに夜間対応可能な動物病院があるかどうか。
  • 食事の知識
    ある程度の栄養の知識を知っておく事は必要。
  • お店や家のつくり
    万が一にも脱走してしまう事は避けなければなりません。
  • 空調管理
    エアコンが故障するような事があっては一大事です。
  • 場所の環境
    近くに工場があって騒音が激しいのは犬がびっくりしてしまうので危険です。また、犬の鳴き声が外に漏れるので、近所に住宅がある場合は防音対策も必要です。

以上のようなホテルを営業するための条件が揃っていれば併設を考えても良いかもしれません。
もし経験がない場合は、同業者の方から情報を集めてみましょう。

ペットホテルでありがちなトラブルと防止策

働いているトリミングサロンがペットホテルを併設していれば良くご存じかと思いますが、お店をこれからつくろうとしている人は、ペットホテルの危険性も考慮しておきましょう。

同意書にサインをしてもらう

カット中でも起こりうる事ですが、突然健康状態が悪化してしまう事があります。なかにはすでに病気中だったのを隠している飼い主様もいらっしゃいます。
それならまだマシですが、病気をお店の責任にして賠償を請求してくる人もいないとは限りません。そんな状況にならないために、同意書はしっかりと制作しておきましょう。

怪我を防ぐ最善の努力を

病気はお店の責任になる事は稀ですが、怪我には細心の注意が必要です。ペットホテルの怪我のほとんどは散歩中です。安全な散歩用コースを入念に調べておき、万が一がないように備えましょう。
怪我も病気同様に飼い主が知らせてくらない場合があります。事前に病気も含めて怪我や痛めている箇所がないかどうかを把握しておきましょう。

脱走してしまった場合の対処方法も考えておく

いちばん怖いのは脱走です。最も多いのは散歩中で、これだけは言い訳のしようもありません。トイプードルなどの小型犬は動きが素早いので、首輪に加えてハーネスも利用するなどの対策をとりましょう。
また、万が一に備え、脱走してしまった場合のマニュアルも作成しておきましょう。いざとなったら慌てて頭が真っ白になってしまい、冷静に判断するのが難しくなります。