自分のトリミングサロンにリピーターを固定させるイベントや工夫

イベントを積極的に行って「自分は常連客だ」と感じてもらおう

お客様の心理として、「自分も店に関わっている」と思う事ができれば、これからもお店に来てくれるだけでなく、お友達の飼い主さんなども積極的に誘ってくれることでしょう。

「利用している」という立場から「このお店を一緒に盛り上げている客」という立場になってもらうためには、お客様も参加できるようなイベントを考えるのが有効です。

意見に耳を傾けるだけでなく「実践」してあげるのが大事

また、お客様の声を積極的に聞くようにし、それを実際に反映させてあげるようにします。「私の意見でお店が変わった」となれば誰でもそのお店に貢献してあげようと思いますよね。

最終的には「一緒にお店を運営している」と思わせるのが目標です。常連が多くなると、サロンのスタッフが気が付かないようなアドバイスも色々な人がしてくれます。売り上げは伸びてお店も良くなって一石二鳥。まさに「正の連鎖」といえますね。

展開や拡大に成功しているオーナーは

店舗を拡大できる条件としては、2階を買い取って増築できたり隣を改築してトリミングサロンを拡大できなければならないので、全てのお店が可能というわけではありません。

無理のない計画で店舗を上手に拡大

「近所の広い敷地に移転する」のは、物件が見つかれば可能なので比較的容易です。この方法を取って店舗を大きくしているオーナーさんはたくさんいらっしゃいます。

店舗を拡大する場合は、「トリミング専門店」から「複合型のペット施設」にするケースが多いようです。
ドッグランを設けたり、カフェスペースをつくったり、トイプードルの洋服をはじめとするワンちゃんのグッズやフードの物販に力を入れたりするのが一般的です。

動物病院と提携できれば、1階はトリミングで2階は動物病院にすれば理想的です。お互いにとってメリットがあり、多くのお客様は安心感を持って預けてくれる事でしょう。

カットに自信やこだわりがあるならチェーン店戦略も

それに対してチェーン店を展開する戦略もあります。ある犬種のカットにこだわりを持っていたり、ドッグショーで活躍しているトリマーがいるならこちらもおすすめです。

複合の施設は便利ですが「カットが上手」というのをアピールできるのはトリミング専門店といえます。
地域密着型で大きくするなら複合施設、トリミングにこだわるならチェーン店、といったところでしょうか。

トリミングのお客様との会話で注意したいワード

テレビなどを見ると「犬が噛みついて…」や「犬の予防接種が…」などといった感じですが、トリミングサロンや動物病院で従事している人がテレビのキャスターなどと同じ表現を使うとかなりヒンシュクですよね。

基本は「犬→ワンちゃん」「餌→ごはん、食事」

トリミングサロンに来たお客様と話す時に気をつけたい代表格は「犬」という言葉を使わない事ですが、その他にどのようなものがあるでしょうか。ちなみにその場合「ワンちゃん」が一番無難なのはわかりますね。

意外と口走ってしまうのが「餌」です。ペットホテルを予約されたお客様に「いつも食べている餌は何ですか」と聞かれるとどうでしょう。キャンセルされてもおかしくないですね。

犬種を話題にする際も注意しよう

トイプードルやシーズーなどの犬種を話題に出す時も要注意です。なかには犬種に「ちゃん」をつけないだけで、自分の犬を呼び捨てにされたような気になる人もいます。
犬種すべてに「ちゃんづけ」していては会話がなんだか変になってしまいそうですが、最低限飼い主さんの犬種にだけでも「ちゃん」をつけるようにするのが無難ですね。

「持ち込み」でなく「連れ込み」

あと、「持ち込み」もさけましょう。犬が禁止されている店や公園で見かける看板で「犬の持ち込みはご遠慮ください」というのを見かけますが、「物じゃないよ!」と思いますよね。
犬の仕事に携わっているならできていて当然かもしれませんが、改めて見直してみましょう。もし何か危ないワードを使っているようなら、今からでも修正しておきましょう。

お客様に気に入ってもらうには

ホームページやネット広告、チラシなどを駆使してようやくゲットした新規のお客様。そしてその期待に応えて満足のいくサービスを提供、気分よく帰宅していただいたとします。

以上の流れは、簡単そうでとても難しく、地味な努力の積み重ねの結果得る事ができる成果です。しかしこれで安心するのは早計です。せっかく努力して満足してもらったのですから、逃がさないようにする工夫もやっておきましょう。

感謝を伝えるためのダイレクトメール

カットしたその日はすごく満足してお店の事を気に入っていたとしても、少しずつ存在を忘れてしまわれるかもしれません。そうならないように地味に存在をアピールしておきましょう。

古典的ですが効果的なのは「ご来店ありがとうございました」「○ちゃんはお元気ですか」などの感謝の気持ちを込めたDMです。
ウリウリ感のあるダイレクトメールは嫌がられますが、感謝の気持ちを伝えるためであれば喜ばれるでしょう。可能であればそのワンちゃんの写真を印刷してハガキで送ってみると効果的です。

お得たっぷりのクーポンを添えて

たっぷりと感謝の気持ちを伝えた後に、お客様が喜ぶ何かをプレゼントしてあげましょう。
「次回いついつまでにご来店いただくと20%割引」「素敵なバンダナのプレゼント」「おすすめのオプションメニューを無料で提供」など、お得感のあるクーポンとしてはがきを活用するとさらに効果的です。

できれば、初回の来店時に次回の予約を取っておきたいところですが、躊躇する方も多くいらっしゃいます。ですので、ソフトに「次回の来店目安」というのを事前に設定しておき、その日が近くなったらダイレクトメールを出す、というのがおすすめです。

再来店してくれたお客様には更なる喜びを

そのお店で初めてのカットをして気に入り、再来店をしてもらうためのアピールも成功し、めでたくリピーターに。
たった一人のお客様でもここまで到達するにはお店のオーナやスタッフの努力は欠かせません。ですが、まだまだ油断は禁物です。

自分に置き換えてリピータの気持ちを考えてみる

自分が気に入ったお店に再来店した時の事を考えてみましょう。例えばスタッフとの会話がはずんで嬉しい気持ちになったのでまた行こう、と思ったとします。

そんな気持ちでまたカットで来店。今日も楽しく会話して素敵な時間を過ごせるだろう、と思っている筈です。

しかしたまたまお客様が重なって立て込んでいたために会話もできず機械的にカットを終了してしまったら…楽しいと思っていた時間がカットをするためだけの時間となってしまいますね。

一本の電話より固定客の獲得の方が大切

再来店の予約をいただいたら、まず「どこを気に入ってもらえたのか」を考える必要があります。直接聞く訳にもいかないので、ここはスタッフやオーナーで話し合って結論を出しましょう。

そして、そのお客様の喜びをさらに大きくするための努力をします。トリマーとの会話が楽しかったのであれば、次はオーナーも加わってさらに盛り上がるようにしてみましょう。

一人の固定客を作るのは地味な努力が必要です。楽しく会話している最中に電話が鳴っても無視するのも有効です。「大事なお客様」という事をアピールするように心がけてください。

再来店のお客様は同じトリマーにカットさせるのがベター

複数のトリマーが施術をしているお店の場合、予約の都合上で担当を決めるのが通常ですが、お店の都合を中心に回していると、その分リピーターを獲得する可能性に影響が出てくる可能性もあります。

初回のカットに満足しているはずのリピーター

初めて来店したお客様が2回目の利用をするという事は、少なくともトリマーに不満はないはずです。もし2回目でカットに満足できなかったらどうなるでしょうか。

中には3回目の予約時に「初めてカットした時のトリマーさんでお願いします」と言ってくれればわかりますが、それはお店自体をかなり気に入っている場合だけといえます。

また、ワンちゃんの立場としても、少しでも慣れている人間の方が落ち着くはずです。行く度に違う人がカットをしていると、犬が興奮してトラブルにならないとも限りません。

何度も来店してくれている常連客であれば誰でも対応可能か特定のトリマーがカットをする方が良いかは分かっているはずですが、2回目の場合は無難に初回と同じにするのが良いでしょう。

違うトリマーが対応する場合はその旨を伝える

もし、そのトリマーが休みだったり移動・退職していた場合は、お客様に「全開と違うトリマーがカットする事になってもよろしいでしょうか」などと承諾を取ると好感が得られるでしょう。

「お客様に合わせて施術をしている」という感を全面に出す事で、思いやりのあるトリミングサロンというイメージも持ってくれる可能性が高くなります。

忙しいから、人が足りないから、といったような店の都合でお客様に対応しないように気をつけましょう。

効果的なダイレクトメールとは

昔からある古典的なアナログの方法ですが、比較的リーズナブルに再来店を促す方法として「はがきのダイレクトメール」がありますね。個人情報の管理がやかましくなってきた世の中ですが、いまだに有効な販促方法です。

字が中心の「つまらない」はがきにならないようにしよう

はがきは、あて名が自分宛てになっているため、一度は目を通します。そこがチラシとの最大の差で、有効な理由のひとつです。
ただ、チラシ同様、最初のインパクトはかなり大事です。伝えたい事が多すぎて字だらけのはがきになってしまわないように気をつけましょう。

月並みのダイレクトメールは避けよう

ダイレクトメールの基本、などで検索すると、ほとんどが人間の目線は左上から右に移動し、下に降りていくといった感じで、「字を読ませる」という前提になっています。
しかしそもそもダイレクトメールの文章を全て読むでしょうか?一番重要なのは「興味をそそる事」です。下の文章も読みたくなるような見出しを考えるのが肝心です。

良い文章が思い浮かばない場合は、イラストなどを使って面白いデザインをつくってみましょう。子供がいる人は、落書きの犬のイラストのデザインを取り入れても面白いかもしれませんよ。

DMは見出しが肝心!その次に「自分だけへの特別感」

ホームページにせよ、はがきにせよ、人間の目の動きに合わせてインパクトと伝えたい事を載せるようにしましょう。基本的に「Z字」と言われていますが、真ん中にインパクトを持ってくる方法もあります。

「私のために作ってくれた」ような文章にしよう

上でも真ん中でも良いので、まずは伝えたい事を簡潔にまとめて見出しにします。
「先日はご来店ありがとうございました」「オプションのエステコースに特別無料チケット」など、自分だけの特別感が出せるキャッチコピーを考えましょう。

「20%オフ」など、初来店から常連客まで共通な見出しは興味があまり出てきません。印刷は一斉に行うので個別の言葉は作れませんが、できるだけ当たり前の言葉は避けてください。

手書きの一言は効果絶大

キャンペーンを告知する際には、どうしても特別感が出せません。そんな場合には、ペンを使用して手書きの字を入れるようにしましょう。

「はなちゃんはお元気ですか?あの日はとても良い子でカットも楽しかったです。またのご来店を楽しみにしております」といったオーソドックスな文章でも手書きは結構嬉しいものです。
ちょっとした絵やイラストを加えるとさらに効果が期待できますよ。

細かな点を気にするトリミングのお客様には

毛の豊富なワンちゃんを絶えずカットしているトリマーさん。エプロンをしていてもすぐに汚れてしまうので清潔感を保つのが結構大変。

かといって工事現場の人のように汚れっぱなしというわけにもいかず、お客様とのやりとりの際にはできるだけ綺麗な姿で接したいものですね。

トリミング中はマスクをする事が多いですが、接客にマスクをしたまま出るというのも、人によっては不快に思ってしまいます。世の中には心の狭い人もたくさんいるので、細かい点ですが注意が必要です。

教育よりもモチベーション

お客様の中には、若い人のちょっとした行動につけこんで文句を言う人や言葉遣いに対して細かく指摘する人も稀にいます。
そんな人に好かれるように細かな言葉遣いを勉強する必要はあるでしょうか?

例えば、とても元気でハキハキしていていつも笑顔のAさんと、元気がなくてうつむき加減のBさんがいて、Aさんは世にいう敬語があまり上手ではありません。しかしBさんはしっかりと教育を受けたので敬語は完璧にこなせます。どちらもカット技術は上手で、それほど大差はありません。

どちらが一般ウケするかは一目瞭然ですね。細かな指導をするよりも、本人にやる気を出してもらうのが最も重要です。教育が無駄とはいいませんが、もっと大事な事がある、というのを覚えておきましょう。