診察台やトリミング台で暴れないアメリカンコッカーにしよう
トリミングサロンでカットする際や動物病院で診療してもらう際には必ず台の上にあがります。ここでもし暴れるようならかなり厄介な犬になってしまいますね。
多くの子は台の上にいくと大人しくなりますが、中には落ち着きがなくなったり暴れる子もいます。もしそうなってしまったら家でトレーニングをするしかありません。
家のテーブルで練習する
適当な高さのテーブルを用意し、上に乗せます。乗ったらすぐに撫でたり褒めるなどして安心させましょう。そこで暴れたらしばらく我慢して辛抱強く待ちます。
大人しくなったらご褒美を与え、次は「フセの姿勢」も練習します。寝るという行為は犬にとっては油断しているポーズになるので、かなりリラックスしないとやってくれません。
ダメなら床に降りて練習し直そう
何度やっても上手くいかない場合は、床の上でフセを練習しましょう。その続きで台の上に乗せれば流れのなかでやってくれる可能性が高くなります。
台の上でフセに成功できたらおやつをあげて充分に褒めて撫でてあげます。これを何度も繰り返せば、トリミングサロンや動物病院でも良い子でいられるのは確実です。
アメリカンコッカーのしつけをする前に
しつけをされるのは自由を奪われる事でもある
しつけるというのはそもそもどのような事でしょうか。悪い言い方をすれば「自由を束縛する」事ともいえます。
しかし、人間同様犬も自由を奪われるとストレスが溜まります。ですので、怒ったり怒鳴ったりして自由を奪っていると、人間嫌いになったり性格に社交性がなくなったりし、人間社会に対応できる犬にはなりません。
ではどのように自由を束縛するのが効果的なのでしょうか。それは「飼い主が犬に尊敬される事」が絶対条件となります。犬はもともと集団で生活し、リーダーを持っていました。
飼い主がそのリーダーになればどのような性格のアメリカンコッカーでも「従っていれば安全だ」と思うようになります。
リーダーシップが楽しい生活の鍵
トリミングサロンに通って色々なカットスタイルを楽しんで、休みの日は一緒にお出かけしたりキャンプに連れていく…このような生活を可愛いアメコカと一緒にできるのは、人間としての幸せのひとつです。
しかし、しつけを一歩間違うと飼い主を尊敬しない犬になり、「思っていたのと違う」という事になってしまいます。
飼う前にいちばん身につけたいのは「自分がどのようにリーダーシップを発揮できるか」という事です。是非覚えておいてください。
しつける意味を考える
今でこそ人間と楽しく暮らしている犬ですが、犬の特性を見抜いた人間の先祖の努力によってさまざまな犬種が誕生し、共存できるようになりました。
人間が犬を家畜とするようになったのは約1万年前と言われていますが、その頃はまだ犬種といったものははっきりしておらず、子犬の頃は従順でも成犬になってから逃げだした、という話もあります。
長年の経験によりしつけに応じるようになった犬たち
アメコカなどの純血種は、人間の指示に従うように作られた、いわば進化形です。今の状態になるまでしつけや訓練を繰り返し、その子もまた人間と共に生きてしつけられ、どんどん人間の都合の良い性格になってきました。
このおかげで犬は他の動物にはない「しつけに対応する」という特性を持つようになり、人間の家でも飼い主がある程度努力すればトイレで排便をし、よけいな物は食べず、ついてこいといえば一緒に歩いてくれるのです。
記憶力を生かして褒めてしつけるのが基本
特にアメリカンコッカーのように美しい犬は、人間がカットをしてその美貌に磨きをかけます。これは当然野生に犬では考えられない事です。犬と人間は今でも少しずつ近づいているのかもしれませんね。
ただ、長年の共存により、犬は自分の気持ちを抑える事を強要されてきたため野性味を失い、自分で考えて行動するよりも飼い主の指示に従う能力が高くなっていったため、思考力などは進化していないといえます。
ですが、能力は高いので、「これをやったら主人が褒めてくれる」や「これを行ったらご褒美がもらえる」という記憶力は抜群です。
しつけの基本は、この記憶力を利用して行う事になります。ご褒美や褒めてあげるのを多用するのはこのためといえます。
声と目それぞれのアメリカンコッカーのしつけ方
犬のしつけ方法を大きく分けると「音・声」を使うものと「視力」を使うものに分けられます。
視力を使ったしつけも用いますが、犬はとても聴力が鋭いので、声を使ったしつけが一番多用されます。
声を出して指示をする際は、大声を出してはいけません。犬は耳が良いので無意味です。重要なのはアクセントや音階と言われています。
短い言葉を歯切れの良いアクセントで
犬は言葉が理解できないので、だらだらと長い言葉を並べてもわかりません。「○ちゃん早くこっちへ来なさい。何やってんの」ではなく、「オイデ」と一言アクセントと音階をいつも統一させて支持するのが基本です。
利口なアメリカンコッカースパニエルでも、最初からオイデの意味がわかる犬は稀です。最初はご褒美を使って、「オイデ」といいながらおやつを用意しておきます。
こっちに来たら素早くおやつをあげて「イイコ」などと褒めてあげると「オイデでご主人のところへ行くと良い事がある」と覚えてくれます。
「イイコ」で褒めてあげる癖をつけておけば、トリミングサロンでカットをする際にもトリマーの言う事を聞いてくれやすくなります。
身振りと声の指示はいつも一定に
視力を使ったしつけは、単独で行う事はほとんどありません。多くの場合は声と同時にポーズを取ります。その際のポーズは制止したものではなく、少々おおげさに動いてはっきりとわかるようにするのがコツです。
また、声のしつけと身振りのポーズがいつもバラバラではいけません。自分で最初に「この身振りの際はこの指示」という風に決めておきましょう。
アメリカンコッカースパニエルはとても利口なので、何度もしつけの練習を繰り返しているうちに、飼い主の事をリーダーと思ってくれるようになります。継続は力なり、ですね。
上手な褒めかた
道を歩いている犬とその飼い主を見ると、たまにやたらと怒って指示をしている人を見かける事がありますね。
その人が連れている犬を見るとどうでしょう。ほとんどの場合は従順に散歩できていないのではないでしょうか。
理由は「しつけ方を間違っている」からと言えます。犬は「怒られるだけでは意味がわからない」のです。
叱ってもその後褒めるように持っていくのが重要
しつけの本などを見ると、多くの場合は「褒めて伸ばす」事が載っています。わずかな違いとしては「叱る」事を若干利用するか「無視」するかに分かれる事がいえます。
「叱る」を利用する場合でも、叱った後に正しい行動をさせて「褒める」事をしないと意味がありません。そうする事で何故叱られたか、正しい行動は何なのかを分かってくれるかもしれないからです。
無視をしても同様です。結局最終的には褒める事によって犬を気持ちよくさせ、その気持ち良い事を繰り返したいと思わせるのがコツになります。
体を触って褒める癖をつけよう
褒めるときに体を触る事も大切です。そしてその触り方は撫でるように、気持ち良くさせなければいけません。
何度も触られて褒められて気持ちよくなっていると、そのうち体を触られるのが好きな犬になります。
そうすると、体のいろいろな部分を触れるようになるので、トリミングサロンでカットしてもらう時、または自宅で歯磨きや爪切りの際にも手際よくスムーズにできるようになります。
ただ、しつこく「いいこだね~なんていい子なんだ~」などしつこくダラダラと褒めていては良くありません。「イイコ」とはっきりアクセントと音階を統一させましょう。