しつけの基本を押さえよう

良い事がないとその行動には魅力がなくなる

例えば、飼い主がソファに座っている時にマルチーズが飛び乗ってきたとします。ソファに座らせるのはしつけ上何かと良くないのでやめさせたいところです。そんな時は無視して他の部屋に出て行いきましょう。そうするとその子にとって嬉しい事は何も起きてないので、何度か繰り返すうちにやらなくなります。
そして「嫌な事がおこったらやらなくなる」方法も取り入れます。ソファに乗ったとたんに用意した缶(市販されているしつけ用の缶がおすすめ)を見えないように落としたりして大きな音をたてます。それを何度も繰り返すと「ソファに飛び乗ると大きな音が出て嫌な思いをする」と思うようになるので、だんだん乗らなくなってきます。

嬉しい感情をしつけに生かす

トイレをしつける時は上記とは逆に「トイレにオシッコをしたら良い事がおきる」という事をインプットさせるようにします。
そのためには、トイレにきちんとオシッコをしたらすぐに柔らかい声で褒めながら撫でてあげましょう。オシッコをし終わってしばらく経ってからでは何故褒められているのか分からないので、オシッコをしている最中に「ワンツーワンツー」など声をかけながら、し終わったらその流れで「イイコ」と褒めます。そうするとオシッコをトイレでやったから良い事が起きた、と認識するようになります。

噛みついてやめるとますます噛みつくようになる

爪切りや歯磨きなどマルチーズがあまり好きじゃない行為をする時にも上記のしつけ方は応用できます。
爪をカットしようとすると噛みつくことがありますが噛みつかれて飼い主がやめてしまうとマルチーズは「噛みついたらやめてくれた」=「噛みついたら嫌なことが消えた」となるので、噛みつく=自分の思い通りになるという事がインプットされ、その後は嫌なことを避けるために噛みつくようになる可能性があります。
ですので噛みつかれても爪切りや歯磨きはやり続けましょう。ただし理想は噛みつきようのない爪切りをすることです。噛まれない方法があるのでトリミングサロンや動物病院で聞いてみましょう。

排泄など散歩時のマナーに気をつけよう

愛玩犬のマルチーズですが、他の犬と同様お散歩が大好きです。
未だに公園や道路で他の人に不快な思いをさせる人が多い我が国ですが、犬が暮らしやすい社会にするためにはひとり一人の心がけが重要になります。
全ての犬の環境を良くするためにも、飼い主としての最低限の散歩のマナーを身につけておきましょう。

排泄させるための散歩はNG

トイレシーツの節約のために外でオシッコやウンチをさせる飼い主はたくさんいますが、これはやめるようにしましょう。ウンチ取りセットなどを用意してるからいいじゃないかという意見もありますが、いくらティッシュやビニール袋を用意して排泄物を処理したとしても、全てを取れるわけではありません。また、オシッコの後に水で流してもすべてを洗えるわけでもありません。
これらはやってしまった後の処理として飼い主が最低限やるべきことではありますが、わざと外でさせるようなことはやめましょう。
優良な犬の飼い主は、排泄が済んでから散歩に行くようにしています。極端な話のようにも聞こえますが、排泄が終わるまで散歩に行かない方もいます。大げさなように感じるのはまだまだ日本の犬の飼い主全体のマナーの向上が発展途上な証拠ともいえます。

ロングリードを道で使うのは危険

巻き戻し式のロングリードを道の散歩で使用する人を多く見かけますが、これも明らかなマナー違反です。とくに男の子を散歩させる場合はやめましょう。
大人しく散歩している子犬の女の子にロングリードで散歩している男の子がすれ違うと、女の子の犬の飼い主は逃げようがありません。これによってマウンティングをされてしまった例はたくさんあります。
また、犬が苦手な通行人にとっても、ロングリードで散歩している犬は、たとえマルチーズのような子犬であっても怖いものです。自分本位で考えると「子犬だし、噛まないから」という考えになりますが、散歩をするときは常に通行人の立場になって考えるようにしましょう。

犬のはいれない公園が多いのはマナーの悪い飼い主が減らないのも一因

日本は先進国と言われていますが、未だに「犬に優しい国」にはなれません。その原因のひとつに、自分本位の飼い主がなかなか減らない事が挙げられます。
コンビニエンスストアやスーパーの前に繋がれている犬を見たことがない人はほとんどいないと思いますが、このような常識のない飼い主が未だに後を絶たないのは悲しいことです。
中にはずっと吠え続けて飼い主を呼んでいる犬もいます。このような人が少しでも減るような世の中になってほしいものですね。

子犬時代の社会化期に経験させたい事

3ヶ月から5ヶ月位の社会化期と言われる時期のマルチーズは、とても好奇心が旺盛で、多くのことを受け入れて覚えてくれる期間です。また、この時期に経験した事もほとんど覚えて忘れません。ただし、危険を察知する能力がまだ未熟なので気をつけたい時期でもあります。とてつもない恐怖心を感じた場合は、その経験を成犬になってからでも引きずってしまい、生活に支障が出る可能性があるからです。

色々な体験をして成長していくマルチーズ

人間の子供と同じで子犬時代のマルチーズは、何にでも興味を持って匂いを嗅いだり舐めたり咥えたりします。そこで色々経験して覚えていくので、飼い主が何もしないと何でも食べてしまったり危険な場所に行ったりする恐れもあるということです。
とは言っても何も体験しないと人間社会に馴染めるマルチーズにはなれません。犬にとって人間の暮らしは本能と違っている部分が多くあり、ある程度矯正させる必要があります。子供時代にそれができなければ大人になってから犬は本能の思うがままに吠えたり怖がったりする犬になってしまいます。

子犬時代に突然驚異を感じるとトラウマになる事も

人間社会にある日常で犬にとって驚異となるのは「大きな音がする物」「さまざまなタイプの人間」「自分より大きな犬」などが挙げられます。それぞれ子犬時代の社会化期に慣れさせておけば成犬になってから驚異になることは稀なのですが、逆に突然そういう場所に連れて行くと恐怖しか残らず、取り返すのも難しくなります。

車や電車の音は少しずつ慣れさせよう

大きな音として代表的なのは「車」と「電車」が挙げられますが、電車に関しては飼い主が意識して線路の近くにさえいかなければ大丈夫なので、万が一トラウマになってもそれほど生活に支障はきたしませんが、車を怖がるようになったら大変です。散歩も上手に出来なくなり、お出かけも難しくなります。
そうならないようにするには、車などの轟音を聞かせる前に家で掃除機などの大きめの音を少しでも聞かせておきます。散歩に関しても、最初は比較的静かな自然の多い場所を選び、少しずつ車が通る場所も歩くようにし、慣れてきたらあえて車の音を聞かせるために広い道路に行くようにします。ただしびっくりして突然走り出すことがあるのでリードは二重にしてしっかりと持っておきましょう。

怖がったら一度引き返そう

車の音になれたら、電車が通っている高架の近くや線路の近くにもでかけ、敢えて電車の音を聞かせるようにします。最初は離れた場所で慣れさせ、徐々に近づいていきます。怖がったら無理をせず、また次回にトライしてください。