マルチーズの腰は丈夫?
腰や背中に負担がかからないように心がける
背中を酷使したり強打したりすると、やがて下半身に影響が出てきます。そして最悪の場合はヘルニアなどを引き起こして神経がマヒしてしまう事もあります。
椎間板ヘルニアとは、脊椎にある骨の間にある椎間板が外に押し出されて神経を圧迫する症状で、神経に直接当たるので大変な痛みとしびれを覚え、少し動かすだけで激痛が走ります。
犬に関わる仕事をしている人ならヘルニアに関しては詳しく知っているはずなので、いつもカットしているトリミングサロンや動物病院でよく聞いて、普段から注意しておくべき事などを聞いておくといいでしょう。
ブリーダーに親兄弟の事を聞いてみよう
ヘルニアは、多くの場合、歳をとってから激しい運動を繰り返したり腰に悪いジャンプなどの運動を重ねたりすることで引き起ると言われていますが、遺伝的になりやすい犬とそうでない子がいます。
マルチーズの場合はそれほどいませんが、親や兄弟にヘルニアになった子がいる場合は、普通以上に普段のケアが大事になってきます。
どのように体温調整をしているの
犬は人間のように皮膚で汗をかいて体温を調整する動物ではなく、暑いときはよだれをたくさん出して水分を外に出しています。マルチーズも例外ではなく、普段から舌を出して、暑い日は特に舌からよだれが垂れていたりします。
暑くないのによだれが多い時は注意
よだれは生理現象であって、垂らしていても基本的に心配はいりませんが、暑くもないのに以上に量が多かったり、いつものよだれと比べて泡が多かったりすると注意が必要です。また、よだれから異臭がする場合も危険です。
よだれに異常がある際に食欲不振が伴っている場合は消化器系の病気が考えられます。さらに体温が平熱より高い場合はウイルス感染の恐れもあります。そのような症状が出た場合はトリミングサロンでのカットやペットホテル・ドッグランへ行く事は避け、すぐに動物病院に連れていきましょう。
乗り物酔いや病気の可能性も
よだれの量が減らない時は、体温に加えて呼吸の速さ、食欲、吐き気がないかどうか、便の状態などをしっかりとチェックしてください。もし何か異常が見つかるとさらに病気の可能性は高いといえます。また、異常な個所が多いほど、食道炎などの重い病気の可能性も高くなります。
ちなみに、乗り物酔いでも同様の症状が現れることがあります。車から降りた後や電車から降りた後などに、乗り物酔いが原因でよだれが多くなる場合もあります。
マルチーズの耳の通気性
犬の敏感な個所のひとつとして「耳」があります。マルチーズの可愛い耳も見た目より中身が複雑にできているので通気性が悪く、外耳炎・中耳炎などの病気になる事もよくあります。
普段から耳のケアをし、定期的にカットしているトリミングサロンなどでさらに奥まで掃除してもらうのが日常のケアとしては理想的です。
耳に異物が入っている事も
毎日きちんと手入れをしても耳の病気になる事はあります。病気の兆候としては、しきりに頭を振ったり耳をしきりに掻いたりする、などが挙げられます。耳の中まで足は届かないのでマルチーズはイライラしたように掻くのが特徴です。
稀に、耳の中に異物が入っていてそれが気になっている場合もあります。公園やドッグランで遊んだ後やトリミングサロンでカットやシャンプーをした後には何かが耳に詰まっている事も考えられます。
自分で取ろうとするのは危険
耳に何かが入っていそうな時は、飼い主が綿棒などで取りたくなるものですが、素人が下手に耳の穴をいじるとかえって危険で、さらに奥に入れてしまったりする原因となるのでやめましょう。
耳の異物を取る時は獣医師に任せるのが一番です。その際は一般的に特殊な鉗子を使用して取り除きます。
外耳炎の予防に毎日耳の消毒を
異物が原因で耳を気にしているのでなければ、外耳炎などの病気が疑われます。犬が外耳炎になる原因はさまざまで、ミミダニの寄生、細菌の感染が多いようです。
病気にならないようには普段から耳のケアをするのが最大の防御策です。耳用の消毒液と脱脂綿、綿棒を使ってやさしく拭いてあげる習慣をつけましょう。
マルチーズの汗腺のしくみ
犬は暑さに弱い動物で、人間と違って皮膚に汗腺がないので熱中症になることもよくあります。人間は体の温度が上昇すると汗腺から汗を出して体を冷やそうとしますが、犬の場合は口からよだれを出したり激しく呼吸をすることで体温を下げようとします。
エアコンのついていない車は危険なサウナ状態
人間の感覚でマルチーズを車の中に入れっぱなしにしていて熱中症になる事があります。自分の体でちょっと暑いと判断した場合、犬にとってはかなりの暑さです。とくに車の中は通気も悪いので体温の上昇がさらに速くなるので絶対にやってはいけません。
換気の悪い部屋に閉じ込めるのも同様です。マルチーズの部屋はできるだけ換気の良い部屋を選びましょう。どうしても換気ができない場合は冷房を使用しましょう。
真夏にカットに行くときは涼しい時間を選ぼう
夏の暑い日の散歩も危険です。太陽が出ている時間に外を歩くとあっという間に体温が上昇します。自分本位で日中が都合が良いからと散歩をするのは大変危険です。
夏にトリミングサロンに行くのは夜がベストです。車を持っている人は昼間でも大丈夫ですが、散歩しながらカットに連れていく人は、夕方から夜にかけての涼しい時間を選びましょう。
マルチーズの遺伝と交配
人間でもそうですが、犬は、血族による交配が繰り返されると生まれつき体が弱い子が生まれやすいという特徴があります。
マルチーズは現在の姿に至るまで色々な犬種で交配を繰り返してきましたが、いわゆる純血犬になってからは、その犬種同士の交配のみ繰り返しているため、その親の影響を強く受けやすくなっています。
全てのブリーダーが健全でないのが現状
ほとんどの犬のブリーダーは、同じ犬種同士を交配させます。そのため、マルチーズの子が黒い毛を持つという事はありません。毛色・性格・気質・遺伝的疾患など親が持っている特性を全て子が受け継ぐことになります。
ですので、悪質なブリーダーの場合、親が遺伝的な疾患を持っているにも関わらず子供を作って増やして売ろうとします。その結果、健全なマルチーズだけではないという結果になっているのが現状です。
交配目的で飼う場合は親や兄弟をしっかりと調べよう
トリミングサロンのトリマーなどがカット技術や犬の性格・能力を競うドッグショーでは、ほとんどの場合は理想的な親の交配で生まれている子が賞を取っています。交配目的でマルチーズを飼う場合は、このような子同士を組み合わせて健全な子を作るのが理想的です。
自分の飼っているマルチーズに子供を作りたい場合は、親に遺伝的疾患がないか、兄弟や近親で交配している実績があるかなどをしっかりと調べた上で行う事をおすすめします。