子犬から成犬への歯の生え変わり

小型の犬によく見られる乳歯の残存

永久歯が生えるところが乳歯が残ってしまうことがあり、これを「乳歯の残存」と呼んでいます。この症状はトイプードルなどの小型犬に多く見られ、場合によっては何年も乳歯が残ってしまい、噛み合わせに異常をきたしてしまうことがあります。
また、永久歯が生えてこないで乳歯が落ちない場合の他に、永久歯が生えたものの隣で乳歯が残っている場合もあります。この場合も上記のように口腔内の病気になるリスクが高くなります。
噛み合わせに異常があると、歯周病をはじめさまざまな歯や口腔内の病気になるリスクが増えてくるので注意が必要です。

乳歯が抜けずに永久歯の歯並びに異常をきたすことも

その他の異常な生え方としては、人間でもよく見られますが、あらあじめ生えていた乳歯が新しく生えてきた永久歯の邪魔をする形になって、永久歯が変な方向に生えてしまうこともあります。少しのずれなら大丈夫ですが、場合によっては抜歯しなくてはいけなくなることもあります。

親や兄弟に歯の異常がなかったかどうかを調べよう

これらは飼い主にとっては防ぎようがないので、親や兄弟の歯に異常がなかったかどうかを調べる位しか対処法はありません。飼う前にブリーダーやペットショップでよく調べて、兄弟が皆健康に育っているかをよく注意することが必要となります。

歯周病に気をつけたいトイプードル

歯周病はほとんどの場合予防によって防ぐことができるので、子犬の頃からの歯のケアが最大の防御方法です。犬は自分で歯を磨けないので、歯周病になるのはほとんどが飼い主の責任だということを忘れないようにしましょう。

毎日の歯のケアが最も大事

若いときは丈夫だった歯も、歳を取るに連れて徐々に弱くなってきます。歯垢がたまっても虫歯にならなかったトイプードルでもシニアになると抵抗力も弱まって歯周囲炎などの歯周病になったりするので、歯のケアは欠かさないようにしましょう。
歳を取ってから歯磨きを習慣づけようとしても、子犬時代にやっていなかった場合にはかなり抵抗します。トイプードルが家に来て、毛の手入れや耳のお手入れをするようになったら歯のケアも一緒に始めるようにしましょう。

歯周病の原因のほとんどは細菌の感染

原因には怪我と細菌の感染がありますが、歯の周りを不潔にして起こる歯周病は感染によるものがほとんどです。
感染性の歯周病の場合は、悪化すると口腔内だけでなく全身に病気を引き起こしてしまう場合もあります。
食べたあと放っておくとどんどん犬の口には歯垢が溜まっていきますが、そもそも歯垢というのは細菌のかたまりなので、その細菌を放置しているのですから、それがどんどん広がっていってしまいます。
口の中で育っていった細菌は、体の中や血管に入って内蔵まで到達することもあります。そうするとそれが原因で心臓病・肺の病気・脳の病気などの重大な病気に発展することも考えられます。