トイプードルという家族の一員
お金と時間の犠牲の覚悟は?
ただ単に可愛いからといったアクセサリー気分でトイプードルを飼う人は、育てる事の大変さを甘く見ている人が多いようです。
犬を飼うのは養子をもらうのと同じ感覚だと思っていいでしょう。義務教育や大学はないのでお金がかかりませんが、食費の他にカットの美容費、定期的な医療費といざという時の高額な医療費もあります。
お金だけではありません。トイプードルは毎日お家でマメにお手入れをしないと毛の中にすぐ寄生虫や細菌が発生してしまいます。少しでも面倒だと感じるようならやめておいた方がいいでしょう。
病気予防は飼い主にしかできない
お散歩に行くことも甘くみてはいけません。犬は、運動不足だからといって自分でジョギングやウォーキングに出かける事はできませんね。
飼い主がどんなに忙しくても、毎日散歩をしてあげないとストレスが溜まり、肥満の原因ともなります。
トイプードルの健康状態を担うのは飼い主です。病気になるのも多くの場合は飼い主に原因があります。まずは現実を知って、自分に飼い主の資格があるかを確認してみましょう。
トイプードルの子犬選びの前に
トイプードルを飼いたい!と思ったらまずはその子に子供を産ませるか(男の子の場合は交配するかどうか)を決めておきましょう。見た目が可愛かった、フィーリングが合ったなどの理由で子犬を選ぶと、その子の親に病的な疾患があった場合に子供を断念せざるを得ない場合があります。
子供をつくりたいならブリーダーで買うのがおすすめ
トイプードルを飼う際にはペットショップとブリーダーのどちらから手に入れるかを迷いますが、繁殖をするかどうかで決めるのもひとつの手段です。
繁殖をする際にいちばん重要なのは、その子の親や兄弟に欠陥がないかどうかなので、ブリーダーのように親や兄弟が近くにいる場合は確認がとても容易にできます。
一方、ペットショップの場合は、兄弟や親を確認するのに苦労します。調べてその子の親がいるブリーダーの所へ確認することも可能ですが、現実的にはとても面倒で困難です。
トリミングサロンのあるペットショップのメリット
子供をつくらない場合であれば、アフターケアなどを考えるとペットショップの方がお得といえます。ペットショップはどの地方でもたくさん存在し、いろいろなタイプの子犬を選ぶことができ、自分の好きなタイプのトイプードルと出会うことが容易です。
飼ったあとも、トリミングサロンを併設しているショップであれば、そこに通うことによってカット料金が安くなったり親密にしてくれたりとメリットがたくさんあります。お店によってはグッズなどを安くしてくれる事もあるでしょう。
お店側としても、自分たちで育てたという気持ちがあるので、家族同様に扱ってくれます。
トイプードルを飼う前にドッグショーを見てみよう
全国各地で行われているドッグショーに行くと、見事にカットされたトイプードルをたくさん見る事ができます。ジャパンケネルクラブ主催のホームページに日程が掲載されているので一度足を運んでみましょう。
トイプードルはチワワと同じ第9グループに分類されています。場合によっては色々な犬種の面白い姿も見る事ができます。
頭数の多いドッグショーでは全国各地からブリーダーが参加しています。トリミングのプロフェッショナルから何か良いアドバイスがもらえるかもしれませんね。
審査はどのように行われる?
ドッグショーではその道のベテランが審査員となって、細かな箇所までチェックして厳密な審査を行います。その際に注目されるのは以下のようなポイントです。
・その犬種に求められる個性が生かされているか
・体調や落ち着きなどの精神状態は良い状態で保たれているか
・体の各パーツがその犬に対する魅力を引き出しているか
・トイプードルの長所を見た目でしっかりと表しているかどうか
・見た目でも分かる骨のつくりや肉のつき具合などをチェックします
・惹きつける魅力が出ているかどうか。オーラのような雰囲気が出ていると高ポイントが与えられます。
トイプードルをペットショップで探す
さあ、実際に家族となるトイプードル探しをはじめましょう。ほとんどの人がそうだと思いますが、繁殖をしないで飼うだけを考えている人にはペットショップがおすすめです。以前のペットショップは犬を商品扱いし、ただ陳列しているだけの所が多く見られましたが、近年では自分の家で飼っているように定期的に遊ばせたりお手入れをしたりするショップが多くなり、安心して購入することができるようになりました。
見た目や体の特徴によって価格が変動する
ペットショップにいるトイプードルを見ると、一見同じように見えても値段が全然違ったりします。これはなぜでしょうか。
同じトイプードルでも、目の大きさや体の大きさ、毛色のバランスなどがその子犬によってさまざまです。体のパーツは健康状態にはほとんど関係ありませんが、やはり少しでも「可愛い」と思える子が欲しいのは当然なので人気に差が出てきます。
一般的には目が大きい子の値段は高い傾向にあります。また、毛色は、もともとのトイプードルの毛色である「スタンダード」に近い子は高価です。ちなみに、スタンダードの毛色は「繁殖が上手にされた」証としても有力なので、健康状態も良い可能性が高くなります(一概には言えませんが)。
とにかく楽しいペットショップ巡り
トイプードルを飼うのはとても楽しいですが、飼う前にどの子にするか選ぶ時の楽しさもまた格別です。どのペットショップに行っても可愛い子犬がたくさんいて、将来一緒に過ごす家族を選ぶというのは、一生に何度も経験できる事ではありません。この時間を楽しんで大切にしたいものですね。
ブリーダーの場合は遠くにあるのがほとんどなので、色々な子犬を見て回ることは難しいですが、ペットショップの場合はそれが可能になります。また、いろいろなショップを巡ることで良心的なお店とそうでないお店の区別もできるようになるかもしれません。たくさんのお店をまわって楽しみましょう。
トリミングサロンがあれば便利
トイプードルはカットが必ず必要な犬種です。自宅でもトリミングする事は可能ですが、はじめて飼う人にとってはかなりの敷居の高さです。購入したペットショップにトリミングサロンがあれば気軽に利用することができ、自宅でのケアの仕方も丁寧に教えてくれるでしょう。
こだわって飼うならトイプードルブリーダーがおすすめ
将来的にトイプードルの繁殖を考えている場合や、ドッグショーにチャレンジしてみたいというこだわりの持ち主の場合は断然ブリーダーがおすすめです。
ブリーダーも目的によって種類がある
ブリーダーは犬を繁殖してその犬を売って生計を立てているのが一般的ですが、そのなかでも根っから商売を考えている人と「とにかく質の良いトイプードルをつくる」という考えの人に大きく分かれます。
前者の場合は比較的値段は抑え気味ですが、多くの場合はたくさんのトイプードルを繁殖している可能性が高いので、管理に問題があることも否定できません。いずれにしても、ブリーダーで購入する場合は、現地まで出向いて環境をチェックする事は必須です。
ネットで完結するのは問題外
インターネットで売っているブリーダーも多く見受けられますが、ネット環境だけで販売を済ませようとするブリーダーは要注意です。例えば「早く決めないと他の人に取られる可能性がある」とにおわせ、現地に行く暇を与えないところは良くないといえるでしょう。
どのような理由にしても必ずブリーダーの元を訪れ、その子の親・兄弟もしっかりとチェックしてから購入するようにしましょう。
良いブリーダーは知識も豊富
ブリーダーから購入する際のメリットのひとつに「知識を得られる」というのがあります。ブリーダーの人はトイプードルについて普通の人が知らない知識をたくさん持っている(はず)ので、これから飼うにあたって必要な事やしつけに関するコツ、困ったときの対処法、自宅で手入れやトリミング・カットをする方法などをあらかじめ知っておくことができます。
また、その兄弟の特徴もブリーダーは把握しているはずなので、気を付けたい病気やケガなどもあらかじめ把握できます。
飼ったあとに困ったり悩んだりしたときも気軽に相談できそうなブリーダーを選ぶようにしましょう。
繁殖も考えている場合
トイプードルを飼い始める際には、繁殖を行うかどうかを決めておく事が重要となります。もし繁殖をしないのであれば避妊や去勢も考える必要があるでしょう。それについては個人の考えにも差があるのでここでは割愛しますが、繁殖をする際には以下のような点に注意しましょう。
遺伝的な病気や欠陥がないかどうかをチェックする
遺伝性の病気を発症した犬の繁殖は避けましょう。トイプードルで多く見られる遺伝性の病気としては、PRA(進行性網膜変性症)というのがあります。その名の通り網膜に起こる目の病気で、成犬になってから発症し、最後には失明に至ることもあります。
自分で飼うトイプードルが遺伝性の病気になるかどうかは年齢を重ねないとわかりませんが、その子の親や兄弟を調べるとよくわかります。もし親が遺伝性の病気を発症した事があるようなら、その子も危険性が高いので繁殖は避けましょう。
標準のトイプードルのみ繁殖を
繁殖をするトイプードルは原則として「標準」である事が望まれます。遺伝性の病気はもちろん、顔の形や体の大きさ、目の大きさ、毛の色などが他の犬と比べて大きく違う場合は良くないとされています。
トイプードルは人気が高いので、金儲け目当ての悪質ブリーダーによって欠陥や病気の恐れがある子の繁殖が行われています。そのような子は安く売られるか、売れ残って殺処分される事が多くあります。