シュナウザーを飼う前に知っておきたい「本能」

群れで生活していた犬の先祖

どのような犬でも、先祖を辿って行けば必ず集団生活で暮らしていた野生の犬に辿り着きます。その本能は少なからず今でも残っているので、その事を頭に入れてしつけをするのが基本となります。
群れには必ず「リーダー」が存在します。飼い主がその立場に立つことができればシュナウザーは大人しく従順してくれますが、飼い主が頼りない場合は自分がリーダーになろうとし、飼い主を見下していう事をきかなくなります。

「なわばり」をつくる本能

人間でも自分の家に帰ると落ち着くように、犬も「自分のスペース」というのを確保する本能があり、それを一般的に「縄張り」などと呼んでいます。
自分の家に知らない人がきて吠える犬をよくみかけますが、これも犬にとっては自然の行為で厳密に言うと「無駄吠え」とはいえません。このような犬にとって自然に行う行為を「人間社会に合わせた行為」に変えていくのがしつけ、とってもいいかもしれませんね。

落ちているものに注意しよう

犬は、落ちている物にすぐ反応を示します。子犬の場合はとくに何にでも興味を持って咥えたり舐めたりします。魚の骨や串など匂いがついている物には特に反応します。人間と違って「尖っている物は危険」という事を知らないので、飲み込んで大変な事態になるというのも少なくありません。

下に物が落ちている外の世界

ミニチュアシュナウザーを飼う際に「部屋に物を落とさないように」とペットショップやブリーダーの人に言われた人は多いと思います。また、カットをしてくれるトリミングサロンでもよく部屋を見ると、犬が歩く場所には危険な物が何ひとつ落ちていないのがわかります。
そのように、犬の特性をよく知っている人であれば、犬は好奇心が旺盛で何でも加えたり飲み込んだりするという事をしっていますが、外の世界はカットしてくれるトリマーのように親切ではありません。危険なものがたくさん落ちています。

大きな物を飲み込むと

犬が飲み込んで事故になってしまう物はたくさんありますが、なかでも多いのは食べ物の匂いが付いているものです。焼き鳥の串、魚の骨が代表的です。しかし、子犬の場合は食べ物の匂いがしなくても好奇心だけで加えてしまうので、ゴルフボールや石も飲み込む例がたくさんあります。
大きな異物を飲み込んでしまうと、内蔵のどこかで詰まってしまうという事態が起こります。小腸に詰まった場合は痛みを伴って嘔吐やよだれの異常などが見られます。

危険なものは届かない場所に

よく、子供の手の届かない場所に置く、という事を耳にしますが、人間の子供と犬の子供の行動パターンもよく似ています。届く場所にある物はとりあえず咥えて感触を確かめたり舐めて味を確かめたり、場合によっては飲み込んだりします。例えそれが殺虫剤や薬浴材・洗剤などの粉でも同様です。

下に置くタイプの殺虫剤は危険

犬のためにも部屋に蚊や微生物を入れないように殺虫剤を使用するのは一般的です。しかし、シュナウザーを守ろうとして使った殺虫剤が逆に犬を中毒にしてしまう場合もあるので注意しましょう。
下に置くタイプは特に危険です。犬を飼う場合は使用しないのが望ましいですが、どうしても必要な場合は必ずその部屋に柵を設けて入れないようにしてください。
トリミングサロンではそのような殺虫剤を下に置きっ放しにしている事はまずありませんが、もし使用しているならそのお店はちょっと危険かもしれません。カットする際に注意して見てみましょう。

意外と危ない入浴剤

下に置きがちな薬品は殺虫剤だけではありません。意外と危険なのが入浴剤です。お風呂で使うので何となく体に良いイメージがありますが、粉をそのまま舐めたらとても濃度が高くて危険です。
他にも風邪薬や胃腸薬など、普段使っている薬を放置しておくと、好奇心の強いシュナウザーはすぐに舐めてしまって危険です。薬は出したら所定の場所にすぐに片付ける癖をつけておきましょう。

部屋でペンキを使ったら

鉛などの重金属をが犬の体内に入ってしまうと「重金属中毒」という症状が引き起こる場合があります。これは「鉛」が犬の体に中毒症状を出す原因となる要素が含まれているのが原因です。
この鉛を含んでいる意外な物に「ペンキ」があります。お店を出している人などは内装をペンキで塗ったりする事があるかもしれませんが、シュナウザーがペンキを舐めたりしないように注意しましょう。

ペンキを使って模様替えをする際は注意しよう

トリミングサロンを経営している人は、犬のカットだけでなく部屋の模様替えも大好きなので、内装を自分で行う際にペンキを利用する事がありますね。しかし、乾くまでは絶対に犬を近づけない事が重要です。
また、ペンキをバケツに入れたまま放置していると、シュナウザーなどの好奇心が高い犬が舐めてしまう危険性があります。くれぐれも注意しましょう。

鉛だけでなく水銀や鉄も中毒になる

ペンキにも入っている成分の「鉛」を犬の体内に入れてしまうと、血液中に有核赤血球などが見られる事があります。もし血液に異常がある場合は、鉛の成分が体内に留まっている可能性があります。そのような場合はカルシウム剤などを注射して取り除く処置が取られます。
鉛の他にも危険な金属類はたくさんあります。身近な鉄も中毒症状を起こす原因です。その他には水銀による中毒も見られるようです。電池を下に起きっ放しにしないように注意しましょう。