街を歩いているだけで飼い主さんまで格好よく見えるほどのスタイリッシュさが魅力のアメコカ。しかしその分お手入れにかける時間もたくさん必要です。

カットに関しては自分で行うのはかなり困難。ほとんどの場合はプロのトリマーさんに頼むことになりますが、意外と不要な部分の毛が生えてこない特徴があって、トリミングの感覚が少々開いても見苦しくならないという利点があります。

顔はもちろんのこと、脚のカットセンスがかなりのウエイトを占めることが挙げられます。ポンポンをつくったり、胴体からだらーんと垂らしたりするドッグショー向けのスタイルから、オーソドックスなブーツカットまで色々な雰囲気を楽しむことができる犬種さんです。

アメリカンコッカースパニエルカットギャラリー

トリマーおすすめスタイル

お家でもお手入れ簡単スタイル

洗いやすいカットのアメコカ

脂分が多いので、シャンプーもドライもプロでも大変なアメリカンコッカースパニエルさん。自宅でもたまにお母さんがシャンプーをするということで、できるだけすっきりして欲しいとのオーダーです。

シャンプードライの時間を短縮してわんちゃんにも飼い主さんにも負担が少なくなるようなスタイルにしてみました。顔や耳は2ミリ、首から下は3ミリのバリカンで全身バリカン仕上げです。

足先もバリカンでつるつるにして、お散歩の後に足先だけ洗うのも簡単に♪耳先だけ毛を残して、すっきりしながらもおしゃれも感じさせるスタイルとなっています。

小型のミックス犬と同居していて、元気に二人で遊び回ることが多いということで、遊び回ったりじゃれ合ったりしても毛玉にもなりにくくなっています。毛玉もできないのでわんちゃんが痛みを感じることもなく、良いことばかり♪

夏場の直射日光が強い時期には肌に直接紫外線が当たってしまうことになるので、このスタイルで外にお散歩に出るときには薄めのお洋服などを着せてあげてください。皮膚トラブルの元になってしまいます。

お店でのカット以外は自宅でこまめにシャンプーをしてあげたいという飼い主さんに、ぴったりのスタイルです☆(とねぎ店長)

人気スタイルピックアップ

ワイルドサマーカット

モヒカンスタイルのアメコカ

アメリカンコッカーといえば明るく陽気な性格と、愛らしい大きな瞳が人気の犬種です。そしてダブルコートで長毛種、毛量がかなり多いのが特徴です。

飼うのであれば、毎日のブラッシング、定期的なトリミングを欠かすことはできませんが、ご自宅でのブラッシング時間を毎日確保することがどうしても難しいという方は、こちらの写真のようなスッキリとしたカットがおすすめです。

耳、頭、顔、ボディ、足のほぼ全身にバリカンがかけられていますが、頭頂部の毛を残しているので貧相な印象にはなりません。「全身をスッキリさせたいけど、みすぼらしく見えてしまうのが嫌だ」というオーナーさんにもおすすめです。

バリカンの使い方・注意点

全身のバリカンをかける時は、首やボディのたるんでいる部分を怪我させてしまわないように気をつけます。

たるんでいるままバリカンをかけてしまうと引っかかって怪我をさせてしまいやすくなってしまうので、たるみがある部分はしっかりと皮膚を伸ばします。そうすることにより安全にバリカンをかけることができます。

アメリカンコッカーは外耳炎などの耳の病気が起きやすい犬種です。耳の内側の毛もしっかりとバリカンをかけて短くしてあげることで通気性が良くなり、耳の病気を予防することができるのでおすすめです。

犬の耳の内側にバリカンをかける時に犬が嫌がって動いてしまうことが多くありますが、それは犬の耳が人間の何倍も優れているため機械の音を不快に感じてしまうからです。

1人でトリミングを行う場合は危険がないように犬が動いたらバリカンを素早く止める必要があります。不安なようでしたら1人が顔を抑え、もう1人がバリカンでカットしていくなどの共同作業をした方が確実に安全です。

頭頂部は三角になるように毛を残しておきます。三角に残すことでワイルドな印象のモヒカンカットにすることができます。写真の長さまで伸びるのには数ヶ月時間が必要となりますのでトリミングを行う時は頭の毛は整える程度にし、その他の部分だけをカットしていくようにします。

アメリカンコッカースパニエル豆知識

原産国 アメリカ合衆国
起源 19世紀(900年代という説も)
初期のタイプ 鳥獣犬
現在のタイプ 愛玩犬
別名 コッカースパニエル
寿命 13~14年
体重 11~13kg
体高 36~38cm

アメリカンコッカースパニエルのいろは

アメリカンコッカースパニエルは、ディズニー映画「わんわん物語」の主人公にったことで世界中に知られるようになりました。スポーティング・ドッグという犬の種類にしては小さいこの犬は、昔は有能な鳥猟犬でした。日本では昭和30年代から知られるようになり、現在では家庭犬として人気があります。

性格・しつけかた

とても明るく、愛情がこまやかでおとなしい種類の犬です。また、友好的で子供たちともよく遊び、飼い主を喜ばせます。大胆ななかにも注意力があり、もの覚えが早いのでしつけや訓練もしやすいでしょう。 ただし、子犬時代にあまりに過保護にするとわがままになってしまい、非常にうるさく不健康な犬になる恐れもあります。

アメリカン・コッカーは人間が大好きで、いつもそばにいて甘えたがります。また、未知のものや状況の変化にも敏感ですが、それほど臆病でもありません。狩猟本能が多く残っている犬であっても、しつけ次第で穏やかな家庭犬になってくれるでしょう。

狩猟本能は残っているものの日本では愛玩犬としてアメリカ犬のなかで最も人気のある犬種ですが、てんかんなどの病気が多いので気をつけましょう。

体の特徴

猟犬にしてはとても小柄で可愛いらしい犬ですが、短い胴体は胸深があり、背中はまっすぐに傾斜しています。頭部にははっきりしたストップがあります。口吻はやや四角ばっています。耳はたれさがっていて、低い位置についています。尾は基本的には断尾します。

絹状のコートはややウェーブしています。耳のコートはとくに豊富です。そのほかにも胸や腹部・四肢にもふさふさとしたコートがあります。

毛色は黒と黒以外の単色、そして2色以上の毛が混ざるパーティカラーがあります。黒色の犬は鼻の色がブラックで、その他単色の犬は黒・レバーがあります。パーティカラーは黒や赤で濃いほうがよいとされています。眼色はすべて茶色で、濃い方が理想です。

おていれ・運動

どんなに暑くても脱げないので、できるだけこまめにトリミング・ブラッシングをしてあげたいものです。コートの手入れは週に2回、45分ほどで行なうが理想です。頭部・アゴのまわり・肩のあたりを重点的に行ないます。コッカーを都会で飼う場合は、運動を充分にさせて肥満にならないようにしましょう。

出産と子犬

4~6頭の子犬を産みます。黒やその他の単色の毛色は親と同じですが、パーティカラーの子犬は生後2週間ほど真っ白なことが多いです。

毛の特徴とカット方法

トリミングのスタイルを競うドッグショーでは大活躍しているアメリカンコッカー。小型犬と中型犬の違いとしては、足が長くて背の長さが短い事が挙げられます。

このスタイルを生かすために、足先の毛を刈り上げる方法がよく用いられます。そうする事で全体的にバランスが良くなって身軽なイメージが生まれるようです。

トリミング犬種として様々なカットスタイルを楽しめるアメコカには、美しく魅せるための飾り毛がたくさんあります。しかし、ムダ毛と言われる毛も若干存在します。

しかし、近年ではムダ毛があまり伸びなくなってきており、飾り毛は伸びる傾向があります。これは、「魅せる犬」として進化しているという証拠ではないかという見方もできますね。

カットすればその容姿がますます格好良くなるアメコカですが、飾り毛が長くてムダ毛が少ないため、放置していてもさほど見苦しくならないという天然の美しさを持っています。

胴体部分は毛があまり伸びず、足元の毛がよく伸びるという特徴があります。従って、トリミングの際は足元のカットに集中するというのもアメリカンコッカースパニエルの特徴のひとつです。

足が短い小型犬にもとても可愛いですが、アメコカのように足の毛のスタイルを楽しめる犬種もなかなかいませんね。

トリマーさんは、このようなスケールの大きな犬のカットもできるようになっておきたいところです。ただやはり絶対数が少ないのでカットを練習する機会になかなか恵まれないのが難点です。

アメリカンコッカースパニエルの歴史

アメリカンコッカースパニエルはセターやスパニエルの子孫で、スポーティングドッグに分類される中で最小の犬です。

スパニエルは最古の猟犬の部類に入ります。猟犬には、獣猟用のハウンドに対して鳥猟用のガンドッグ(スポーティング・ドッグ)があり、スパニエルは後者の祖先犬に当たります。

銃の発明以前の仕事は、鳥を網の中に追い込むことでしたが、銃ができてからはハンターのために鳥を嗅ぎ出して飛び立たせ、自信は素早く身を伏せて弾をかわすという技を覚えました。

ある一説によると、スパニエル犬がはじめてアメリカに入ったのは1620年、メイフラワー号に乗った移民たちに連れられてきた時で、すべて同じと見なされていたスパニエル犬が水中用と陸用に分けられるようになりました。

その後、陸用の犬は小型犬と大型犬に分けられ、この両種類がさらに分類されて、家庭犬になったり愛玩犬になったりしてアメリカンコッカースパニエルが誕生し、1946年に独立した犬の種類として認められました。

イギリスでは、アメリカと異なった系統が発展し、イングリッシュコッカーとして認められ、1984年にはアメリカン・ケンネル・クラブ(AKC)で最も人気のある犬の種類になっています。

アメコカ生活とドッグショー

はじめてのアメリカンコッカーしつけ塾

気持ちよさそうに眠るアメコカ

ペットショップやブリーダーでアメコカを購入する前に、しつけをするに当たっての注意点を知っておきましょう。

しつけは、基本はどのような犬でも同じですが、その性格によって対応を若干変えるのが好ましいといえます。例えば、自己顕示欲の強い犬を飼った場合はそうでない犬に比べてしつけに時間をかける必要が出てきます。

アメリカンコッカーは、外見が美しく優しそうな顔をしているため、甘やかして育ててしまいがちなので注意したいところです。

ドッグショーで大活躍!アメリカンコッカー

行儀の良いアメリカンコッカースパニエル

ドッグショーには、オビーディエンス・トライアルといった訓練競技で競うものや、運動神経も必要とするアジリティ、元々の仕事であった猟犬としての資質を競うフィールド・トライアルなどがあります。

今日盛んになってきたのはコンフォメーション・ショーといってカットしたスタイルで「体型美」を競う大会です。ドッグショーというとこの競技をイメージする人が多いのではないでしょうか。

日本でもかなり盛んになっており、大会に日はトリミングサロンを休んでも参加しているトリマーがも多く見られます。

ドッグショーの審査・システム

品格のあるアメコカ

一年を通して日本各地でアジリティーの運動神経などを競う競技系、カットの腕を競う競技、美やスタンダードを競うコンフォメーションショーなどさまざまなドッグショーが開催されています。

日本のドッグショーといえばジャパンケネルクラブが開催しているのがほとんどですが、その他にも私設のクラブが開催しているものもあります。